平和に行きましょう。

そのよん


「………………」
「………………」
 特別詳しい訳でないのだが、しかしその細い身体に走る幾層もの重なった古傷は中々お目にかかれる代物ではない。
 細い線は鋭利な刃物によるものではないか。はたまた、あの丸っこい痣のような模様は銃創ではなかろうか。太平洋戦争経験者の歴線をくぐり抜けた者ならばともかくとして、何故にこの平和な世の平凡で冴えない中年の身体にここまで大量の傷痕があるのだろう。何にせよ、多々良の服の下にここまでの壮大な何かが隠されていたことに、赤彦と十影は期せずして唖然としてしまった。





















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