平和に行きましょう。

ヒヤシンスの吐露


 蘭 恵には半分血の繋がった兄がいる。
 半分が何を表すのかというと所謂「異母兄弟」なんてもので、二人の複雑な家庭環境と関係を示していた。しかしそれらは元々彼らの父親が撒いた種、両親との仲はそれぞれ出奔で冷え切ったり復讐で断ち切られていたり両者それぞれの終わりを迎えているので、恵とその兄・夜行の兄弟仲を阻害する要因はとっくのとうに無くなっている。
 つまり、恵と夜行はそれなりに仲が良かった。4つ年の離れた兄弟に多少のぎこちなさはあっても、季節の節目に何かと連絡を取り合ってお互いの近況報告で笑ったり嘆いたりし合うくらいには。
「そんな訳で8歳と16歳の娘が出来ました。ほら、この子達な」
「俺の手がお前の頭を砕く前に1から10までキッチリ説明してみせろ」
「イエスお兄様」
 概ね、仲は良いはずなのだ。

「妹の為に父親ぶち殺した兄貴か。良いねぇ見所がある。俺ぶち殺す前に出て行っちまったからな。そいつにナイフ格闘教えたい」
「あー駄目駄目、今は病院で矯正中。アカネちゃんが毎日お見舞いしてるし、兄貴が仕込む隙ないね」
「片目じゃどのみち仕込むもんも仕込めないけどな。とりあえずお前が善行積んでるなら良いんじゃないか。心配してた家出っ子も養子に出来たんだし」
「そうだなぁ……。あれで虫さえ食わなくなったら何も言わねーんだねどさ…。高校通いたくないなら別にいいし、俺の助手とかするなら給料出せるし、知り合いの伝で何処なりとも行けるだろうし……虫さえ食わなくなったら……」
「お前の中でどんだけ重要なんだ」




蘭一族
祖母(中国人) ー 夫(日本人)
中国在住

娘(ハーフ) ー夫(日本人) ー 恵母(中国人)
別居状態。恵母は病死

夜行(中国1/4クォーター)・恵(ハーフ)

息子(ハーフ)ー妻(中国人)

鈴(日本1/4クォーター)
夜行のいとこ。恵と血縁上の繋がりはない。


蘭祖母とその娘は、女が殆どを占める一族の中で夜行に多大な期待を持っていた。
息子は多分放蕩息子かなんかだったんだろう。息子を甘やかし過ぎて教育を間違えたからこそ、「今度こそ」と夜行を度々中国に呼び付け英才教育を施そうと躍起になっていた。そして結果的に出奔された。どんまい
鈴は放蕩息子の子供だったから恐らくほぼほぼいないものとして扱われていた。

















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