平和に行きましょう。
ゆすら
拝啓、あらららららぎさん。
蘭だという貴方の突っ込みが恋しくなるこの季節、私は何故か高校1年生に相当する立場になりました。純粋に助けてほしいです。
これまで白い部屋に閉じ込められたり、よく分からないアパートに連れてこられたり、はたまた妙な駅から家に帰ったりと多くのバリエーションが揃った拉致を経験してきましたが、異世界に飛ばされて高校入学はトップクラスで意味不明です。前者はともかく後者に意味はあるんでしょうか?
ともかく、現地で保護監督を務めて下さるという親切な方から「条件付きでひとまず生徒として扱う」と仰っていただいたので、一旦は好意に甘えたいと思います。……一応成人した女だと言ったのですよ?でも女はともかく成人しては幼すぎると鼻で笑われたので、書類上16歳にされました。どうやらパッと見英語を主に扱う外国圏のようで、日本人が若めに見られる所だというのは理解しました。こういう時英語が扱えて本当に良かったと思います。
今回どれだけの期間で帰れるか分かりませんが、この通り私は健康に五体満足なので、世界中探さなくて大丈夫です。といっても手紙が届く宛がないので意味は無いんですが。
では、また何かあれば手紙をしたためます。
「寮長さん……ユスラさん、少しこちらに」
「はぁい、学園長さん。どうかされましたか?」
「以前こちらの世界で必要な予防接種などを受けていただいた際に、採血をしていたのはご存知ですね?実はその結果が今朝届いたので、お知らせしておこうと思いましてね」
「わぁ、わざわざありがとうございます!隔離した方がよさげな結果でもありましたか?」
「物騒ですね、全く違います」
「ははぁ」
「いえね、単に私の興味でこちら側のルーツ検査というのをしたらどんな結果になるか行ってみたんです。予想ではエラーだと思っていました」
「人の血液で遊ぶな?はい、続きをどうぞ」
「どうも。そしたらなんと!なんとですよ!まさかの!ほんの1%ですが、こちらでいう闇の眷属に由来する非常に珍しい妖精族の血が混ざってることが判明しました!」
「……?ん?こっち側の血?えーと、とりあえずその妖精族の説明聞きたいです」
「いいでしょう!というか私も説明したくてたまらないんです。ツイステッドワンダーランドに人間の他に獣人、人魚、妖精などの人々がいるのはご存知の通りですね。非常にざっくりとしたものですが、この世界において貴方はどちらかというと妖精に近い人種だと判明しました。ここまではいいでしょう」
「あい」
「妖精も春を呼ぶ妖精や、夜の妖精など事細かに分けることができます。ディアソムニア寮にも複数在籍していますよ。基本妖精たちは保守的で排他的なのですが、貴方のルーツはこれまた珍しく人と交流のあった一族で、近年姿を消しつつある……所謂絶滅の危機にある存在のようです」
「はえー。なんでまたそんなSSRみたいなのがうちの世界と繋がっているんでしょう」
「さぁ?そこまではさっぱり分かりません」
「ええー。でもそこ調べたら帰り方分かりそう……」
「ともかく、これで貴方の戸籍についてはどうにかなりそうです!妖精なら時間感覚がズレて公共機関に把握されていない時期があってもおかしくありませんし、出身や経歴も誤魔化げふんげふん、何とかなります!」
「やったぁ」
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