平和に行きましょう。
さらさん
動きの一つからして育ちの良いお嬢様であることをありありと思わせる女の子の姿は、NRCの男子高校生らをして「あっこれは不可侵」と近付くことを躊躇うレベルだった。そしてサラとて全寮制の男子校に女が紛れ込んでいることを世間に知られれば結構な大事件になることを十分承知していたので、必要外に自ら関わりにいくことはなるだけ避けていた。
とはいえ、学園長からの頼み事をこなす度に着実と各寮への繋がりが出来上がっているので、何やかんや友達と知り合いが増えているが。
「駄目です」
目を見ると確実に潤んだ碧眼とかち合う。そうなると勝ち目がないので、クロウリーは必死に手元の書類に目を落としながら、あえて素っ気なく言い放った。
「貴方はただでさえこの世界の常識やこの学校の学問を持っていないのですよ?アルバイトに勤しむ前にクルーウェル先生達の補習を躱してからおいでなさい」
事実だが、そのうちこの言い訳も通用しなくなるだろうと危惧していた。なんせこの少女、元々頭の出来は悪くなければ進学校にも通っていたらしく、魔法に関わる学問以外は簡単に覚えて追い付いている。勉強出来なければ居場所がない、と己の立場を正確に捉えているから必死なのだろう。甘ちゃ……ゲフンゲフンここの生徒にはないバックグラウンドなので、その辺もあるのだろうが…。
next
Back to main nobel