平和に行きましょう。
クトゥルフ
沙良が持つ祖母の情報は、一般的な家族の距離などはさておき、そこまで多くない。現代的な核家族の例に漏れず祖母との住居はそこそこ離れていたし気軽に話す程頻繁に会う訳でもなかった。祖母自体に悪印象はないものの、なんせ粗相をすれば叱られ窘められるという非常に体が硬くなるような思い出しかなければ敬遠もするというものだ。
口煩くなる、というからには当然祖母は「品性」や「格式」を重要視する人間だった。元々青葉家そのものが地方の名士で、ありたいていにいうお金持ちの家だったから、その家に相応しいお嬢様だったという訳だ。
「要は今で言うサークル仲間だったんだろ。当時を考えたら男女入り交じった集まりなんざ相当珍しかっただろうに」
「へぇ。おばあちゃんは確かに着物着て雰囲気あったけど、うちは普通の家だったから想像つかないよ」
「栄もすれば衰えもするだろうよ」
「そりゃそうだ。でも、そしたら杉山さんちってまだお金持ちなんだろうなぁ」
「まぁハガキからして上品ではあったけど……」
「じゃなくてさ。普通……ていうか、大体家から明らか高そうな美術品出てきたら、手放すって発想になった時点でそのまま売りそうじゃない?共有財産だったとか他の人達の現在調べてわざわざ呼ぶ辺り、余裕あるなぁって」
「あぁ」
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