平和に行きましょう。

おでかけ


 タタン、タタン、タタン、タタン…と一定のリズムで刻まれる振動とレールを走るタイヤの音は心地好い眠気を誘発する単調さで、代わり映えのない田舎風景はすでに見飽きて久しい。人気のない電車のボックス席は、すでに過剰な弱冷房を謳う冷気ですっかり涼しい。また窓から注ぐ柔らかめの陽光で、この上なくお膳立てされた状況下となり、蜻蛉切に対する席に座る少女は丁寧に靴を脱いで、長座席に猫のように眠っている。行儀は悪いが、口煩い面々は留守番だ。蜻蛉切はスヤスヤと健やかに眠る主を見つめながら、知らずに頬を緩めた。
 
 事の発端は、本丸で主が受け取った手紙だった。政府関係者直々を表す判子と印が押された極秘書類の届けで、やたらと大仰な封だったが、中身は何のとこもない祖父からの手紙である。職権乱用もいい所だが、お茶目な祖父は割と結構やらかす。そしてその手紙を読んだ主は、「あちゃー」と頭を抱えた。
「おじいちゃんの友達のお孫さんが、亡くなったおばあちゃんの荷物してたら友達とのきょーゆうざいさん?を見つけて、それの持ち主決める話し合いしたいって。おじいちゃんは本人なんだけど、正直政府から離れられないし、今はもう表には出られないから、代わりに私に行ってきて下さいって。兄ちゃんがいるけど、今それどころじゃないから、私なんだって」
「何それ火曜サスペンスみたいじゃないですか!」
 自分なりに掻い摘んだ事情を離せば、そばにいた鯰尾が茶々ともマジとも取れない合いの手を入れた。その近くにいた一期のげんこつが落ちる。
「とりあえず、現世に帰んなきゃいけない。お供決めなくちゃ」





































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