ちりばめられる



沖矢昴と接触してから暫くは、家の反対にあるスーパーを利用していた。あまりに露骨かもしれないけれど、少なくとも昨日の今日で沖矢さんにあって連日で取り繕うとかなったら確実に死ぬ、メンタルが。

休みだと言うのに、急な依頼により出来た仕事により午前出勤を命じられた私と同僚の子は、若干任せ速攻で業務を終えると少し遅めの昼食をレストランで食べていた。


美味しそうなデミグラスソースのかかったオムライスを食べている彼女は、私にこっそり耳打ちするように私に言った。

「ねぇ、あの席の人イケメンじゃない?」

ほらあれ、とニヤける彼女がさりげなく指さす先にいたのは・・・

「金髪褐色で少し軽めな感じはするけど、顔スタイルはめっちゃい・・・って汚!!」

いや吹き出さなかっただけ偉いと褒めて欲しい、思わず口に入れかけていたパスタを垂らすように口から出てしまっていることぐらいは許して欲しい。いや本当ごめん布巾とって。

どうしたの?知り合い?

とこちらと指さした席を交互にみる彼女だが、知り合いも何もない。
そこにいたのはもう会うどころかすれ違うつもりすら予定のなかった人物、安室透と毛利小五郎御一行である。

「いや、あのイケメンさんとやらは知らないけど。その隣、有名な毛利小五郎かなって」

すかさず新しい情報を伝えてやれば女と言うのはすぐさま話題か入れ替わる

「本当だー!そう言えばうちの店舗にウェディングプラン出したけど事故ったお客さんの事件解決したのもあの人らしいね!!」

初音さんの事件だ、彼女はあれから順調に回復し。無事に退院出来たと伴場さんから連絡があった。勿論お店にだ。「折角考えてくれたプランを実行出来ずすみません、また是非。妹が幸せを掴んだ時はよろしくお願いします。」と話してくれたらしい。
勿論我々は全力で喜んで!!と返した。お客様の幸せを願う、それが我々の仕事だ。


っとそうじゃない。
安室透としている降谷零と毛利小五郎がこの時間にこんな場所にいるってことは

あぁ、あれだ・・・事務者で立てこもり発砲事件のやつ・・・。


いやまぁ、後は帰るだけだしこのまま家に居ればなんの関わりも持たないでしょ。

一度話題を変えてしまえばそのあまり聞きたくない話題は綺麗に彼女の頭からは抜け落ちたらしく、彼女は最近出来た彼氏との惚気話をコーヒー飲みながら幸せそうに私に話し始めた。

毛利御一行達もお店から出て行って暫く、デザートも堪能した私と彼女はまた仕事でね!とその場で解散した。







その日の夜、速報ニュースで早速子供を誘拐した殺人犯と死んだらしい強盗グループの最後の1人が交通事故を起こし捕まったとかなんとか報道されていた。

いやおっかねー・・・


「はじめー!そろそろ寝るよー!」

「はーーーい!!」


歯磨きを終えたというはじめの歯のチェックをするとリビングでお茶を飲んでる両親にもおやすみーと言って寝室に向かった。




布団に入りはじめに布団をかけて上げるとはじめは何かを思い出したのか興奮気味に私に話した


「あのね!ママ!今日ばぁばとね!おさんぽしてたら、お目目がボクとおなじお目目のおにーさんがいたの!」

「ぶふっ!!」


そういえばお母さんが今日ははじめを連れて喫茶店で早めにお昼食べたって連絡来てた、だから私も食べて帰ったわけだけど。
盲点だったーー!私が関わらなくてもはじめが直で安室さんに関わってみろ、バレない自身がない、怪しまれないはずが無い!!


「は、はじめ、そのおにーさんにお声かけたりした?」


決して怒っていないと言わんばかりにら笑顔で聞けばはじめは残念そうに小さな口を尖らせた

「ううん、ぼくおはなししようとおもったらね、おにーさん大きなおさらもってどっかいっちゃったの」

っしゃあ!!ナイスタイミング!!!

「そっか、残念だったね」

そう言いながらはじめのお腹を規則良く叩いて上げるとはじめの目はウトウトと鬱らになり今にも閉じようとしている中、それでもはじめはもう回ってない舌で話を続けようする。


「おめめも、だけど、かみも、きらきらして、きれーでね・・・ね、ま、ま」

「ん?なぁに、はじめ」


「ぼ、くの、ぱぱ、も。きれーな、おめめ、してる、か、なぁ」


そしてはじめは静かに深い眠りに入ったら。最後はどんどん小さくなり聞き取れなかったが、確かにこの子は父親の事を気にしてた。



はじめが父親について初めて触れたのは、喋れるようになってから暫くたったころ。
父親の存在について今よりも舌っ足らずな言葉で「ぼくのぱぱは?」と聞かれた。

うまく返せなかった私は、曖昧な笑顔を見せてはじめを撫でることしか出来なかった。

そしてその日から、はじめの口から「父親」関連の話題が出ることはなかった。
この子は、幼いながらに何かを悟ってしまったのだ。本当、母親として情けなくなる。


それでもこの子は、父親がいらない訳じゃないのだ。きっと他の子みたいに父がいて母がいて、そんな光景に憧れている。父親と楽しそうに遊んでる子を見るたび、頭をふって「ままー!ぶらんこいこー!」と私の手を引く・・
この子は無意識に同じ目をした彼に父親の影を見てしまったのだろう。ほんとに、わが子ながら良く見ている。

きっと、これらの才能すべて聡明な彼に似たのだろう。


あぁ、本当に情けない。本当に私はこの子に助けられてばかりだ。

小さな寝息を立てるそのこの子髪を優しく撫でる。



弱いお母さんでごめんねはじめ

彼がお父さんだと言えなくてごめんね?

明日は公園でお父さんとお母さんも連れてピクニックに行こうね、お弁当もって、鬼ごっこして、キャッチボールもしよう??沢山遊んだら、たくさん食べよう?せっかくのお休みだもん、明日も美味しいもの食べようね。


一、はじめ、大好き、大好きよ。





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