欠片が思う

その人はなんの変哲もない一般人だ。
断言出来るは、俺が個人的にその人の事を調べたから。


沖矢昴として生活をし、少しは慣れてきた自炊。そしでその為に合間を見ては工藤邸から出て食材を買う為にスーパーへ足を運んでいた。
そこでたまに見かける女の事が、少しだけ頭に引っかかった。



そしてある日彼女は横に小さな男の子を連れてやってきた。その子が「ママー!」と言っていたから親子なのだろう。

特にこれと言って特徴のない女だ、黒髪に黒みの方が強いグレーの瞳。飛び抜けて綺麗な顔ではないがよく見ればパーツの一つ一つは綺麗な形をしていた。

なんの変哲もない仲が良い親子なのだろう。息子の年齢に対して母親は少し若い様な気がしたが日本人は若く見える上に、正直アメリカ育ちの俺から見たら日本人は見た目じゃ年齢は分からん。でも最近では若くはさて母親になることは特に珍しくもないのでそのくらいでは特に気にもとめなかった。


その息子である男の子の目を見るまでは


髪は母親と同じ黒髪のストレート、顔立ちも恐らく母親似であろう。それでも隠せないその瞳のは空色に瞬いていた。

その瞬間俺の脳内に1人の男の顔が浮かんできた。自分に強い敵意をもつ褐色肌の彼が。その子によく似た瞳の色をしていた。
いやこの場合はあの子が彼に似ていたと言うべきなのだろう。

だがしかし彼からそう言った話はいっさいされた記憶ないし報告も受けていない。

単なる偶然だろうとは思ったが気になったものハッキリさせたい性分である、俺は帰ってすぐ彼女のことについて調べた。




だがしかし出てきた情報は全て彼女をなんの変哲もない一般人と示すものばかり

名前、年齢、出身、職業、家族。
彼女は本当にごく平凡な女性であった。

あの子供の父親のことを除けば。


父親の情報だけが無かったのだ。
三年前に子を生んだのであろう彼女には、それまで全くと言っていいほど異性との接触はなく。妊娠をしたという情報の後もいっさいそれらしい男の情報は出てこなかった。認知をしたという事実も、立会、彼女のお見舞など、どこの情報を洗ってみてもないその影

ではあの瞳の色の一致は単なる偶然なのか、それとも本当に彼が・・・?

だとしたら余計におかしい、あの
慎重な彼がそんな過ちを犯すだろうか?たとえ失敗したとして、彼がそんな形を易易と残すだろうか?
仕事に嫌というほど熱意をかけた男、そんな彼が障害になりそうな存在をいとも容易くつくるとは思えない。

考えれば考えるほど「無関係」の可能性が強くなる。

俺の考えすぎか・・・


そう思いこのことは忘れようと思っていたその日、買い物に来て牛乳の賞味期限を吟味していた俺の後ろを通過していった影が高らかに声をあげた



「きれいなみどりいろのお目目してたーー!」


思わずそちらをみれば、つい最近まで調べていた女がこちらを大変申し訳なさそうな顔をして見ていた。
謝る彼女に問題ないと伝えるが、それよりもその子だ。

俺は本当に一瞬にしか目を開いていない、それを通り過ぎた時の一瞬に見たと言うのか?
その年齢とはに使わない観察眼に無いと思っていた可能性が僅かにまた浮上してきていた。


少しだけ彼女に探りを入れるがあまり多くは語って貰えず、ただ曖昧な返事がたどたどしく返ってくるだけだった。
警戒されているのかと思ったが、それも初対面の人間に失礼を働いた上に急に質問などされれば怪しむのも当然かとその時は思った。

少しだけ、カマをかけて見ようとしたが、彼女はただ不思議そうに俺の顔を見ては「覚えてない」と言った。
人間の記憶とは案外曖昧なもので、その人物のことを全く知らなくてももしかして知ってるかも知れないという可能性から思いだそうと悩む動作を見せるものだ。

それに対して彼女は俺の顔をみて悩んだ後「覚えてない」「もしかしたら以前スーパーで見たかもしれない」と申し訳なさそうに答えた、確かにこのスーパーで俺が彼女の事を見かけた事がある分、彼女も俺をみた可能性十分にある。

彼女のその反応に。俺の思い違いだったのかもしれないな・・・と、せめて最低限の関係でも持って置こうと自己紹介を持ちかけようとしたが、それは小さな騎士により幅かれてしまった。


息子に急かされ彼女はこちらに一言言うとその場からそそくさと去っていってしまった。


違和感はないが、どうしても蟠りのように頭に残る違和感、疑問。

また接触の機会はある、これからは直接彼女から情報を引き出してみようと思った。





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