ちょっとしたこと。
▽2020/03/10(Tue)顔にかかる髪を、掌でやさしく撫でて払ってくれる、子どものころ、真夜中に帰ってきた父親がすっかり眠りについたわたしの、まだやわらかい髪を梳くように撫でる、そのときの仕草を思い出すの。
ふとにおう、スーツに染みついた人々の香水や、整髪料の、乾き切ったにおい。アスファルトのにおいまで連れてきて。急に温度が下がるから、わたしは父親が帰ると、だいたいの夜は、しっかり目が覚めた。だけど、眠っているふりをしていた。よく憶えてる。
撫でられていると、愛されている気がする。
額のキスも。すごくすき。
ちょっとしたことで、考えが変わってしまう。
触れられるだけで、こんなふうに心地よくて、じんわりと癒される。
ささいなことが、丁寧に大事にされるべきで、そのちいさなものの積み重ねが、しっかり、しあわせになればいいのに。