無題
▽2020/02/16(Sun)夜更かしが大得意である。彼はそんなわたしを見越して、早く寝なさいよと仕事中にも関わらず、時間を割いては尻を叩く。
五日ぶりの我が城に戻ってから、荷ほどきもせずに早速ビール缶のプルタブを持ち上げてからというもの、早五時間が経つ。
さすがに翌日からの仕事に備えなければ、と重い腰を上げて就寝準備。彼の部屋での過ごし方にすっかり慣れてしまったわたしは、まさか自身の家での過ごし方を忘れるなんて思ってもみなかった。彼愛用の洗髪剤はリンス不要の代物であった。もくもくと目一杯に泡立ち、流しながら髪を指で梳くと、つやつやと指通りのいい上等なもので。それを数日間、体験しただけなのにも関わらず自宅の浴室にある買ったばかりの可愛らしいリンスボトルが見えなくなってしまった。
髪をバスタオルで叩きながら、どうもキシキシするなと思ってみた。そしてこれまた良いタイミングで、トリートメントもちゃんとしなよ、と連絡が入るのだった。
毎朝のごとく鳥の巣を頭上につくるわたしを不憫に思って、用意してくれたトリートメント。それすら丁寧にぬりたくるのは彼の仕事であった。
無精で、面倒臭がりで、何もできない、しない恋人を、どう思っているんだろう。
仕方がないので、今夜は自ら髪の世話を済ませる。
あと数時間後からの仕事を思うと、憂鬱だ。