赤のメッシュが入っている白い髪に不機嫌そうな顔をした少年と、黒いパーカーを着た調子の良い少年が一見でこぼこと、実際はなかよしに昼食を食べている。
他愛無いおしゃべりに夢中になって、パーカーの少年が笑いながら考えなしに転落防止用の金網に背を預けたとき、

ガシャン

「ナマエ!!」
「っとおおおおお!あっぶねえ!サンキュサンキュ!俺とお前は…ズッ友だょ…!」

老朽化した金網が外れる寸前に、不機嫌そうな顔をした少年が自分の方に引っ張りこんでいた。
嫌な予感はしていたんだとジトリとした眼でバシバシと叩く。考えなしのアホ馬鹿間抜け!俺がどんな気持ちで!

「大丈夫か!」と飛び込んできた教師に思いっきり突き出す。


「こいつがふざけて壊しました」
「なん…だと…!」

ドナドナと引きずられて行く親友を指差して笑ってから、少年は食べかけの昼食をまとめて教室に戻った。
カバンの中で混ざってぐちゃぐちゃのサンドイッチ。腹の中でもっと細かくされたその残骸を、トイレの個室で少しもどした。便座に座り込んで背をまるめる。ぼたぼたと太ももにぬるい水滴が落ちた。足が震えて立てない。極度のストレスで胃が痙攣する。冷や汗が凄い。手のひらが冷たい。口の中がすっぱい。




大好きな誰かに置いていかれる夢を昔からよく見ていた。大好きな誰かは、ナマエのような気がする。

全部ただの妄想だといいんだけど、と。見た目に反して繊細かつ、いじっぱりで辛抱強いせいでストレスを溜め込んでしまう性質の少年は頭を抱えた。幸せに生きたい。


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