身体が動かない。金縛りというよりも、物理的な意味が大きいだろう。
熱い吐息が耳にかかる。自分に覆いかぶさるソレは、その大きさに反して重さを感じさせない。ただただ巨大な人影は、浅黒い肌をした男のようだった。
ひやりと冷たい肌は、どこかゴムのような質感をしている。頬を舐めてくる舌だけが焼けるように熱く、痺れるように痛んだ。


またこの夢か。

繰り返したせいで、今更恐怖も何もない。
ひやりとした手が俺の腹の下をまさぐるし、感情が乗らないのに何故か勃起するし、この夢の中の人は俺に跨って一生懸命腰を振ってくるが自動的に欲望をぶちまけたらそれで終わりだ。
これが俺の無意識化の性癖……。大柄の男に搾り取られたい欲があるのか……? しかし起きたら夢精もしていないし、なんらかのストレスが溜まっているんだろうな……。

ぼんやり考えていると、腹に跨る男が俺の首に手を掛けた。しかし絞めるわけでもなく、腕に目を向けた俺と視線を合わせてニィと笑う。あ、こいつ表情あったのか。

「すき、だいすき、にどとはなさない!」

何故か少したどたどしい低い声。腰を弾ませて絡みつく肉の感触。


「おまえはいっしょう、おれのもの」


真っ赤な目が炎のように闇に浮かび上がっていた。


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