【七日】
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せめて顔を洗いたいとそのまま廊下を進み、頭の上から声が落とされる。
「うわ、なにをしているの。朝くらいしっかりして」
自分よりも10センチ低い青江に軽々と持ちあげられ、目が合った瞬間に小さく悲鳴をあげられた。
「どうしたんだい! 目が腫れてる。悲しい事でもあった?」
冷えた手を瞼の上にそっと置く。じんわりと心地よく熱が薄れた。
また怖い夢をみた? 一緒に寝ようか、今日の朝ごはんはおかゆにする? 具合悪いかい? ひっきりなしに問われるが、こたえられない。ようやく口を開いたとき、真っ先に出たのは問いかけだった。
「なあ、青江。人間は好きか?」
「うん……? どうしたんだい突然。範囲が広いなあ……。
にっかり青江は人間が好きだよ。今までずっと人間に愛されてきたからね。
だけど特別、君の事が大好きさ」
にっかりと、青江は笑ったのだろう。彼の冷たい手の平で隠されて、それを見ることはできなかった。
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