なな
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「はじめまして、俺がここの審神者の名前」
「名を教えて良いのか?前の主は俺たちに名を盗られると言うていたが」
「あー…俺は君たち付喪神より高位の神様に、先に名を捧げているから大丈夫なんだよ。『審神者のカミサマ』が師匠だから」
「ほう」
二百年前、審神者制度がまだ曖昧だった頃に、人から神に存在を持ち上げられた者がいる。
いまだ審神者のカミサマとして存在している彼らに選ばれ、師事された極一部の審神者の一人が名前だった。だからこそ、今回の三日月の保護先に選ばれたのだと思う。
本人がどれだけ穏やかで平和主義であろうとも、問答無用で刀剣男士すらかき消すことができる。神気の混ざり込んだ霊力は本丸中を包み、如何なる悪意を打ち滅ぼす。名前もまた、神に近い生き物となっていた。
「よろしく頼む」
ほのほのと笑いながら頭を下げる三日月の髪を一房、過ぎ去った刀が斬り落とした。
「同田貫!」
「…新入りに立場を教えるだけだ。本気で打ち込んじゃいねえよ」
硬い音をたて刀を鞘に戻す。
厳しい目つきをした近侍はいつも以上に気がたっている。その頭をバシバシ叩いてシリアス感を粉砕しようしているが完全無視だ。ひどい。
「少しでも怪しい真似をしてみやがれ。両手両足たたっ斬ってやらあ」
「はっはっは、貴殿はとても慕われておるようだ。
俺には何の力もない、危なく思えば首を落とすが良いさ。…両手両足で済ませてくれるなんて、此方の同田貫も随分とあわれみ深い奴だな」
「そちらに居たあわれみ深い同田貫は……」
「言いながら泣かないで」
小夜左文字に顔を手拭いで拭かれながら、同田貫が首に巻いている布をがしりと掴む。これは同田貫用のリードだ。離したら飛びかかる。
「さあ?たぶん折れたんだろうなあ」
「うぇぇぇええん」
被害者の生の声がきつくて死にそう。
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