ここに青いキューブがある
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『ねえナマエ聞いて欲しいことがあるんだと言っても今すぐにということではなく僕が任務を終えて帰ってきた時に是非とも聞いて欲しい事なんだこういうのは全てが終わって平和になった時に心穏やかにしてはじめないといけない会話だということを僕は知っているからねだからナマエは僕が帰って来た時は朝だろうが夜だろうがすぐさま急いで可及的速やかにお帰りと声をかけて欲しいんだよそうしたら僕が言いたかったことを言うからナマエはそれにハイかイエスかオーケーとこたえてくれればそれでいいのさ わかった?』
『聞いて欲しいことがある。からの続きがちょっとわからんな…句読点入れて喋ってくれないか』
『僕 が 帰 っ た 時 に 一 番 に お 帰 り っ て 言 っ て 。 そ し て 僕 が い う こ と を 全 部 イ エ ス で こ た え て く れ』
『ハイハイ、そんなのいつでもやってるだろう。わかったから気をつけて行ってこいよ』
『…うん!行ってきます!』
ブラーはナマエが好きだった。好きだったので、あとで『あれこれって死亡フラグっていうものなんじゃないかないや別にそんなことない筈うんきっとそう』と思い悩むような発言をして、つまりそう。ブラーはこの任務が終わったらナマエに愛を告白するつもりだったのだ。
迫り来る壁に、圧縮される機体に、ぐしゃぐしゃに押しつぶされた発声回路はもう二度と『宇宙一の早口ロボ』等と言えないようなスクラップにされた。それでもブラーのスパークが生きていたのは幸か不幸かはわからない。
裏切り者の手から何も知らない仲間の手に渡り、廃棄される寸前に自分を受け止めたのは愛しい人だった。もうウォッシャー液も出ない四角いだけの器の中、スパークが悲鳴を上げ続けていた。こんな姿見られたくなかった。こんな、こんな、醜い、こんな姿!
『…ブラーだろ、おかえり。今は耐えろ』
ひしゃげた身体が圧縮されアイセンサーが潰れ、辛うじて生きている聴覚器官が残酷だった。ナマエはこのスクラップが、自分であると理解している。その音を塞ぐための手も、答えるための口も、全部全部スクラップにされてしまった。
僕は帰ってきたらナマエに言いたいことがあったんだ昔からずっと前から君のことが好きだよと君だって薄々気づいているとは思うけど言葉にして伝えてみて友人という関係からワンランク上を目指してみたいなあって思ったんだ君はそれにハイかイエスかオーケーとこたえてくれそうしたら僕が君の好きなところを百個言うから君も僕の好きなところを百個言ってくれなあに心配することない勿論僕の口がくるくる回るのは僕の専売特許だからナマエにまでおなじように望んだりしないさ平和になったら僕たちにはたくさんの時間が手に入るんだそのたくさんの時間の中からゆっくりと教えてくれたらいいよ ねえナマエ 僕 ナマエのことが好きなんだ
もうなにもいえない
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