俺はこれが[何]か知っていた
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『なんだ!うるせえ!』
小さいクリフジャンパーが心底迷惑そうに俺を見る中、その手に持たれた水色のキューブに戦慄した。
突然だが、[転生]というものをご存知だろうか。
トラックに轢かれそうな少女を庇い、そして前世の俺は死に今世の俺になった。もうありきたりすぎて涙も出ない。今の身体じゃ涙の代わりにアイセンサーを洗浄保護するウォッシャー液しか出ないから仕方ないといえば仕方ない。そう、俺は人間からトランスフォーマーに転生したのであったたたた…。
そしてこの世界はかつて俺が見ていたアニメの世界なのだ…よくある展開すぎるね…眼からウォッシャー液…。
でも正直朝八時にうとうとしながら飯食いつつ見ていたアニメなんてほとんど覚えてない。
かろうじてウルトラマグナスの名前には聞き覚えがあったけど、元々超有名人だし…うちの上司マジ人気やでえ的にしか思っていなかった。
そしてこのザマである。
俺的衝撃シーンだったブラースクラップという現実に直面した途端、今更ながらに思い出したのだ。その姿…もしや我が友、ブラーではないか?いや、ブラー確定だろ?ほわああ。
『い、いや、悪い。なあクリフジャンパー?それ、俺に譲ってくれないか?』
『はあ?』
『こう…ほら、自室のインテリアにな?ワイルドさを…な?』
『長官から受け取ったものだから破棄するまでが俺の仕事だ』
『そこをなんとか!』
『なんでこれにこだわるんだよ…』
『俺は水色が好きなんだ!』
『あー…なるほどな。何がしたいのかはわからねえが…仕方ねえ、持ってけ』
『ありがとう!』
胡乱な目で見られつつ、他の人にばれないように慌てて自室までダッシュ。もとい瞬間移動。青いキューブを机に置いて。 『…ブラーだろ、おかえり。今は耐えろ』 ブラー……お前…なんて姿に……。忘れていた俺が悪いのか。いや、アニメの内容を全て把握しているやつなんてよっぽどのファンしかいないだろう。むしろちょっと覚えていただけ俺には愛がある。俺は悪くぬえー。
一応この状態でも生きてるらしいから、せめてロングアーム長官の化けの皮が剥がれるまでここにいてもらおう。ブラーは喧しい奴だが、嫌いではないのだ。というか、同期だし。比較的仲のいい方だと思う。たぶん。『…お湯につけて三分待ったら戻らないかな…』これどうすれば直るんだろ。皆目見当付かぬ。
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