[好きな人]で[恋人]だった


呆けた顔をしながら器用にも号泣状態のブラーは、あのよく回る口をせわしなく動かしていた。耳に馴染む懐かしい音は確かに彼の声だ。


『僕は僕は僕はナマエナマエナマエが僕の事を恋人と言ってくれるとは思って思って思ってなかったからからから嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい!!!』

『ブラー落ち着け!エラーが凄い事になっているぞ!』

あとツインズ散れ!見世物じゃないぞ!
扉の前でする話ではないので部屋の中に戻そうと手を伸ばす。その手をそっと掴んだブラーの手は震えていた。エラーエラーエラー。エラーだらけだ。

『嬉しい嬉しい嬉しいナマエナマエナマエ好き好き好き好き好き僕は僕は僕はずっと前から前から前から君が君が好きで大好きで僕は僕は僕は君の君の君の君の 君の一番に なりた く て』

『頼むから落ち着け!このままだと発声回路以外にも障害が出る!』

手で無理やり塞いだ口はまだもごもごと動いていたが、しばらく黙っていると動きが収まってきた。
『いいか、手を離すぞ』そう宣言すると小さく頷かれる。





『ナマエのことが好きなんだ』



『こたえは「ハイ」「イエス」「オーケー」のどれがいい?』


『みっつとも全部で』






ガバリと首に抱きついてわあわあ泣くブラーをいつものように宥めていれば、自分の鈍感さにほとほと愛想が尽きた。


ブラーは友人だ。
少し気位が高くて速さにこだわる真面目な奴。だけど昔から、俺の前では甘えたで泣き虫になるところがあった。そこに優越感を覚えていたのは確かだ。俺はブラーの特別なのだと。そうか、俺ははじめっから、





『俺もブラーが好きだ』

『僕も僕も僕もナマエナマエナマエが好き好き好き好き好き!』

『そのエラーどうしようなあ』


好きと言うたびに口付けてくるけど、なんて言うんだろうか。
うん。


俺の恋人は宇宙一可愛い。かもしれない。


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