(10000hit記念。リクエスト/下ネタ有/制服が変わった主人公との会話/を組み合わせたらこんな感じになりました。)
「お前ら、この後名前に会う予定はあるか?」
実技授業が終わるチャイムがなった時、道場で稽古をしていた夏油と五条に夜蛾先生は問いかけた。
「名前、今任務なんでしたっけ」
「先程任務が終わったと補助監督から連絡が入ったからもうすぐ帰ってくるだろう」
夏油の質問に夜蛾先生は答える。午前中から姿が見えなかった彼女は、朝一から低級呪霊が大量発生した任務に呼び出されているらしい。
「あいつ大体帰ってきたら談話室でテレビ見ながら報告書書いてるし、談話室行けば会えるでしょ」
「もしかして名前に言付でもありますか?」
「ああ。昼に名前が頼んでいた制服が届いたんだ。いつ届くんだと催促していたから早めに渡そうと思ったんだが…任務が入って渡せそうになくてな。もし何も予定がなければ頼まれてくれないか」
道場の端に置いていた紙袋を二人に見せると中を覗くような動きをし、紙袋の中をチラリと覗けば黒い制服らしき布が見える。
「別に何も予定無いし良いっすよ」
「そうか。じゃあ頼んだぞ」
「はーい」
陽気な返事をする五条は夜蛾先生から紙袋を受け取り、夜蛾先生は任務まで時間が無いようで、渡すや否やすぐに道場から出て行った。……しかし、これが問題の始まりだった。
談話室へ移動した二人は、いつもの定位置のソファに腰かけて名前の帰りを待つ。五条は紙袋をテーブルにポイっと投げるように置き、それを見た夏油は「預かりものなんだから投げるんじゃないよ」と言いながら、紙袋に入っていた制服を取り出して広げる。
「へえ制服のデザイン変更していたんだね。似合ってるのに何か問題でもあったのかな」
「動きづれーって言ってた。あん時見た希望用紙のデザイン、ミニスカートだったけどアイツもしかして露出魔だったりすんのかな」
「なんでそうなるんだい。ただ単に長いのが邪魔なんじゃないのか」
「邪魔ならボトムスでもいーだろ」
「…確かに」
上着のデザインは変わっていないが、少しサイズが大きめのように見えた。スカートはというと、タイトスカートから一変ひらひらとしたプリーツスカートになっていて、丈も以前よりずっと短い。ベルト部分の脇には呪具をいれるポーチを引っかけれるようにベルトとは別の金具ようなものが付けられている。
「…これは明らかに短すぎるんじゃないか?」
「だろ?ぜってーパンツ見えるよな!?」
「パン…悟、下品な事言うんじゃないよ」
「なんだよパンツくらいいーだろ。ムッツリかましてんじゃねーよ傑」
「普通は思ってても言わないんだよ」
「正論押し付けんな」
クズという思考は似ていても、こういう所に関しては馬が合わない。べぇと舌を出して夏油に反論する五条に対して、いつも喧嘩にのるはずの夏油は溜息を吐き何も言わずに気持ちを抑えた所を見る限り、彼が一枚上手のようだ。
「まあ、思う所はあるけれど名前が帰って来てから着た所を見てみよう。あんまり短すぎるのも、目のやり場に困るしね」
そう言った夏油はスカートを紙袋に戻してスライド式のガラケーを扱い始める。先週機種変更したばかりのこの携帯はコンパクトで意外と使いやすく気に入っているようで、無駄に携帯を扱う時間が増えていた。新着のメールは来ていないか、iモードに接続してお気に入りのグラビア画像の新着が無いか確認したり、以前よりネットへ接続するスピードも速くなり、そしてネットの世界は中々興味深い。ネットの世界でお宝を探していた夏油は、石油発掘したように超可愛いグラビアの画像を見つけ、自信の画像フォルダへ保存した時「傑ー!」と名前を呼ばれ「なに、」と答えるように夏油は顔を上げた。
「っどもー!名字名前でーっすぅ!」
思わず、ぶはっ!!と夏油は吹き出して笑った。それもそのはず、彼の視線の先には名前が頼んだ制服を着た五条が蟹股でピースしてこちらに変顔を向けていた。上着は肩幅が小さいのか、ちゃんとボタンが閉まっておらずスカートの端からは蟹股に開いた足からチラリとボクサーパンツが見え隠れしている。
「ククッ悟、中々似合ってるじゃないか」
「だっろー?でもやべーよパンツ見えてね?」
「ああ、少しね。まあ名前は足も短いし丁度良いんじゃなかい?」
「成程なー。でもあいつも太もも自ら見せるとかやっぱ露出狂なんじゃねーの?しかも太ぇーのによ。あんだけ下ネタ無理、エロいの反対!とか言っておきながらアイツが一番むっつりじゃねーかよ」
「太ももはあれくらいがベストだよ、絶対触り心地良いと思うね」
「そーか?まあ二の腕もマシュマロみてーだしなアイツ」
「だろう?……ま、あんな事言いながらも彼女は誘惑術師だからね。むっつりを卒業しようとしてるんじゃないか?」
「だれがむっつりだって…??」
言いたい放題名前の事を話し合っていた夏油と五条の会話の途中に、二人とは別の声が入る。高く、男性ではない女性の声。声が聞こえる方を見れば、談話室の入り口に制服の所有者である名前が立っており、顔を真っ赤にしてこちらを睨んでいる。
「…最ッッッ低!!!!人の制服なんで着てんのよ!」
「っいーだろ別に!どんなもんか気になっただけだし〜」
「そうだよ。悟から聞いたけどミニスカートを注文したそうじゃないか。あまり短いと目のやり場にも困ってしまうよ」
「短足なんでそんな心配もないですよーっだ!」
「…聞いていたのかい」
少し前から聞いていたらしい彼女は、落ち着かせようとした夏油の言葉を論破する。「本ッッ当に最低ッッ信じらんない!!」と再度怒声を上げる名前の眉は吊り上がり、瞳はうるうるとしている。流石に申し訳なくなった夏油は「すまなかった。悟、脱いであげな」と五条に声をかけると、彼も反省しているらしく「分かったよ」と一言返事をして半分しか上がらかなった脇のジッパーを下げて脱ぎだす。
「へ!?ちょっと、ここで脱がないでよ?!ばか変態!!」
「ああ!?別に減るモンじゃねーし、いーだろ」
「は、早く、下穿いてよ!!!!」
「へーへー」
脱ぎだす五条の姿を見て名前は両手で目元を隠し、髪をかけている耳は真っ赤に染まっている。自身の制服に着替えた五条は「着替えたから目ぇあけろ」と名前に言い、両手を外した彼女に先程履いたスカートを渡した。
「ほら、どんなもんか見てやるから着てみろよ」
「いや、流石に人が穿いたの気が失せるんだけど」
「ああ?!つべこべ言わずに着ろっつの!!」
「悟、声大きいよ」
俺が着たものが着れねーのか。と言わんばかりに不機嫌になる五条に対して、名前はこっそり溜息をつく。高専へ戻る車の中で夜蛾先生から【注文していた制服が届いた。任務が入って渡せないから悟と傑に頼んである。談話室に居るだろうから受け取ってくれ】と連絡が着て車中でウキウキしていたのに、寮へ戻れば自分の制服を着た意中の人。
…私、本当にこの男の事が好きなのか?と一瞬自身に問いかけてしまったのは名前だけの秘密だ。
女性物を穿かれた事に少し抵抗はあるが、ここで着なかったら五条はさらに不機嫌になるだろう。夏油もなんやかんや謝りはしたが、新しい制服を気にしているようで名前は五条に従う事にした。
「わ、分かったから。じゃあちょっと部屋で着替えてくる」
「ここで着替えればいーじゃん」
「やだよ変態!」
「お前の体になんて興味ねーっつうの、自信過剰もいい加減にしろよなー」
「…っ!見たら一生口きかないから!!」
「へーへー」
「夏油もだからね!?」
「分かってるよ。ほら目瞑っておくから早く着替えな」
「…っ」
二人が目を瞑ったのを確認した名前は、彼らの後ろで着替え始める。今日は中にスパッツを穿き忘れてタイツだけだった為、タイトスカートの上から新しいスカートを穿いて、着ていたスカートを脱ぐ。名前はスカートをひらひらと舞ってみれば、気に入ったようでふふっと声を漏らして喜んだ。
「着替え、終わったかい?」
「うん。いいよ目開けても」
夏油の問いかけに答えた名前の言葉に男二人は目を開く。目の先には、満足したような顔をして「じゃーん!どう?」と一周回って二人に問いかけた。
「…やっぱり短すぎるんじゃないか?パンツは見えていないが、見えそうだ」
「傑、パンツ言ってる」
「あ、すまない」
「ま〜傑の言う通りだと思うけどー?何、お前男誘惑しようとしてんの?」
「し、しないに決まってんでしょ?!私的には動きやすくて気に入ってるの。…ねえ五条、軽く相手してよ」
「はあ?ここで?」
「うん、軽くでいいから」
五条の問に気にもせず、名前は戦闘の構えをする。
二人にいかに動きやすいか見せてやる、以前の私とは動きが違うんだ!
そう意気込んだ名前の表情を見て、意地悪そうに五条は「いーよ」と誘いにのった。
五条の動きは相変わらず早い。しかし以前と比べると断然避けることが出来ているのを制服の自由度があがった事で実感した。
スカートの性能を見るためか、五条は足技をかけてくるが、膝までしか上がらなかった足もプリーツスカートのおかげで足もいつもより上がって避けやすい。
これは中々良いじゃん!?満足した名前は「もう大丈夫!」と声をかけようと口を開いたと同時に、五条が声を上げた。
「あ!ぱんつみぃーえたっ」
「えっ!?!?……きゃっ!!」
「おいっ!うお!?!」
うそ、まさか。五条の声に反応して気をそらしたのがいけなかった。冷静に考えれば、タイツを穿いているのに、見えるはずがない。気をそらすための引っかけ、とはそのあとに来た足技にまんまとハマった時に気づいた。五条の足技にかかって後ろに倒れる身体。まさか引っかかるとは思っていなかったらしく、五条は名前に手を差し伸べるが届く事はなく、勢いで五条の身体は同じ方向に倒れた。
どすん!!
背中とお尻が床に叩きつけられて痛みを感じる。後頭部を打たなかったことが幸いだ。痛みの広がる背中を起きあげていると「悟!!」と夏油は焦った声をしている。
え、五条がどうかしたの?
疑問に思う傍ら、名前は太ももを触られるような感触が走り、上半身を起こした。
「っギリセーッフ。無限張ってよかった〜。…ってあれ、なんだ?…あ」
安堵した声をする五条は、自分の置かれた状況を見て時が止まる。
それもそうだ、いちご〇〇%みたいな少年誌の恋愛漫画で見たことがあるちょっぴりエッチなシーンが今自身の身に起こっているのだから。倒れた先は名前の太ももの間。手元は彼女の太ももを掴んでいて、頭からスカートを被り、洞窟の奥からはタイツの奥に潜む真っ赤な下着が薄く見える。
「へんたい!!ばか!!えっち!!」
「不可抗力だっての!!」
現状を把握して急いで起き上がった五条に、名前は平手ビンタを打ち付けようとしたが無限によって届くことはない。しかし、降参だといわんばかりに無下限の印を結んだまま五条は両手を肩の上まで上げた。
「助けようとしたのにその言いがかりはねーだろ!」
「うるさい!ばかばかばか!」
「名前も悟もそのくらいにしな。二人とも落ち着いて」
「落ち着いていられるわけないでしょ?!本当信じらんない!ばか!へんたい!」
「変態はお前だろ!!真っ赤なパンツ穿きやがって!…あ」
「…っ嫌い!五条なんて嫌いだばかぁーーっっ!!」
「おい!!」
顔を真っ赤にした名前は着ていたスカートを持って女子寮の方に走っていく。姿が見えなくなると「廊下走るなー!」と名前に向けて指摘したような女子先輩の声が聞こえてきた。
テーブルに置かれた紙袋には、まだ上着が入っている。ソファに首を垂れる五条を見て、夏油は憐れみの顔を向けた。
「悟は悪くないよ、……ま、デリカシーはかけてたけど」
「…うっせぇ」
「上着忘れてってるし、渡すついでにフォローしてくるよ」
「いい。俺が行く」
「…喧嘩するなよ」
「傑は俺の母ちゃんかよ。……大丈夫だっての」
紙袋を持って立ち上がった五条は、生意気に笑って返す。
頑張れ悟。女子寮に向かう五条の背中を見て、夏油は微笑んだ。
……その後、名前の部屋に向かって不器用ながらにも五条が彼女に対してきっちり謝ってこの事は終わりを迎えた。
しかし女性でもボトムスが着用可能だった事を知らなかった名前が、後悔するのはまた別のはなし。