本棚から地図帳とついでに脱衣所よりタオルを取り出し、キッチンに戻った。
「とりあえず、拭いてください。」
「ああ、ありがとう。」
ある程度爆発で黒くなった顔を拭いてもらい、
テーブルの方に案内した。
世界地図を開きサッチさんに見せた。
そして、日本を指差し
「日本はここです。」
サッチさんはそのページを凝視したまま微動だにしない。
「……サッチ、さん??」
するとサッチさんは一呼吸置いて、
「……信じがたいんだけど……」
「どうやらここは俺の世界じゃないと思う……」
と彼は目を合わせたままとんでもないことを言った。
(え……??)