「じゃあ、戻れるまで野宿でもいけるかぁ〜」
ん????野宿????
この人は何を言っているんだ??
「野宿なんて、流石に危ないですよ!!」
「俺これでも結構強いよ??」
「そういう問題じゃないです!!!」
「でも、行く宛ないし」
「じゃあ、ここで住めばいいじゃないですか」
売り言葉に買い言葉では無いが、彼をこのままほっといてはいけないと思った。
「……え?ナマエちゃん自分が何言ってるかわかってる??」
「分かってますよ。でも布団は予備がありますし、部屋も2人ぐらいなら住める広さですから、問題ないと思います。」
「……そーゆー物なのか…?」
「だって、ほっとけないじゃないですか。」
本当に夢の国みたいな事が起こるなんて考えた事も無かったが、これはこれで楽しいのかもしれない。なんて、考えられる私は変わってるのかもしれない。と少し笑った。
気が付けばサッチさんの纏う鋭い空気はもう今はなく、
こちらを向き姿勢を但し、
「少しの間、お世話になります。」
と頭を下げた。
(顔と似合わず、丁寧な人だ……)