隣の家の前では丁度リリちゃんが出てくるところで、
うちのむぎをみてにっこり笑うと、
私とむぎに対しておはよう!と元気よく声をかけてくれる。
高校の通り道に、小学校があり毎日ふたりと一緒に学校に向かうことが習慣だった。
2人と別れ彼女たちももう6年生なのかとしみじみ感じながら、
自分も歳をとったなと時の流れを感じた。
教室に入ると、刀也くんが今日の授業の予習をしていた。
影で努力をする人なのだ彼は。
うちのクラスは登校が遅い人が多く、
教室には朝練で居ない運動部の荷物と私と彼だけだった。
黛くん、おはようと声をかけると、おはようございますと普通に返ってくる。
今日、何か小テストあったっけ?と聞くと数学と英語と短く教科名が返ってきた。
数学と聞いて、嫌だなぁなんて零すと、
どこが分かんないんです?公式に当てはめればいいだけですよなんて、余裕そうに言う。
私は公式が覚えられないんだよ馬鹿、なんて軽口を叩けば、
そんなこと言うですか、せっかく教えてあげようと思ったのに、
なんて、珍しい態度。
ごめん、と謝り成績欲しさには叶わない。
最近撮ったむぎのかわいい写真を見せると仕方ないですね〜
なんて言ってデレデレになりつつもちゃんと教えてくれる。
悔しいことに、やはり成績上位者の名は伊達じゃない。
教え方が上手く私もすっと公式が頭に入ってきた。
公式を一通り覚えて彼に感謝を伝える。ありがとう、刀也くん。
小テストちょっと頑張れそうかも。
当の刀也くんは、僕が教えたんですから満点じゃなきゃ許しませんよ。
え〜流石にそれは無理だよなんて笑って誤魔化す。
ふーん、満点取れなかったら飲み物奢ってもらいますからねなんて。
小テスト、満点取れますように。そう神に願った朝。
2020/09/09