宿直の先生01(怪談)
※元ネタ。
戸口から薄暗い教室内を見渡していると、ばたばたと背後を何かが走り去った。
「廊下は走っちゃ駄目だぞ。」
反射的に振り向いてそう注意してみたが、相手の姿はどこにも見えない。
ちゃんと聞こえただろうか。
少し不安だったものの、返事のようにクスクスと笑い声が聞こえてきたので、多分大丈夫だろうと自分を納得させた。
そして室内に特に異常がないことを確認し、戸を閉めようとした瞬間、今度は下からズボンを引っ張られる感触。
「ん?」
つられて視線を下げれば、目が、あった。
「あの暴れん坊の坊やなら、今そこで反省中ですよ。」
その言葉を裏付けるように、すぐ傍らにある物置からガタゴトと音がした。
そちらに気を取られていると、「あの子が何か?」と無表情ながらもどこか気遣わしげな相手の声に我に返る。
「あ、いや、さっき黒いのからミキオの落とし物を預かってきたんですが………とりあえず、もう少し落ち着くのを待った方が良さそうですね。」
反省中、と言う割には中でどたばたと暴れているらしい。
そう溜め息を吐いて、手の中にある物を見下ろした。
恐らく、これがミキオが暴れる『原因』だろう。
(まったく…あの収集癖にも困ったもんだな…)
「それで黒兎先生、校内の見回りはいかがでしたか?」
「あ、はい。特に問題は何も、」
なかった、と言いかけて上手く続けることが出来なかった。
ゴッと一際大きな物音が、今度は部屋の外から鳴り響く。
「…ちょっと様子を見てきます。」
場所は変わっても、やはり学校というところはどこも賑やかだ。
なんて苦笑混じりに理科室を出た後、残された骨格標本が一人、そっと溜め息らしきものを吐き出したことを俺は知らなかった。
非日常の中の日常
(喋る骸骨に暴れる人体模型、見えない子ども達とその他諸々)
(それらにすっかり馴染んでしまった先生が、その手にある目玉の見慣れぬ色に気付くのは、もう少し先の話)
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リクエストありがとうございました!
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嘘つき、ロンリー。