【やなぎのした】捌
人伝に聞いた訃報。
出会いも別れも、柳の下。
【柳下】
「木の下に屍と聞けば桜が定番。よもや柳の下とは、これいかに?ん?んん?」
「…しばらく見ねぇ内に妙な口ぶりを覚えやがって。しかも何だ、その格好。」
「ふふん、なかなか男前だろう!惚れてくれるなよ、兄弟子殿?」
「……戻って来るんじゃあねかったな…」
「んん!まぁ、戯れ言はさておいて。その後、どうだ?黒兎。」
「ぼちぼちと言ったところだ。そっちはどうだい?茸は食えるようになったか?」
「ぐっ…いつまでその話を引きずるつもりだ!第一あれはお前が無理矢理みどもに…っ」
「まぁ、戯れ言はさておき。お互いようやく修験者として名が売れ出して何よりだ。これで師匠も成仏してくれるだろうよ。」
「…しかし。柳幻殃斉に柳黒兎とは、師匠も妙な名を付けてくれたものだ。」
「はっ、あんだけ喜んでいたくせに。」
「…みどももまだまだ幼かっただけのことよ…」
「そうかい?まぁ、俺ぁ結構気に入ってるがね。」
「何?」
「桜の下よか、俺らにゃよっぽどお似合いだ。」
師匠の墓標を前にして、小さく笑った。
了
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嘘つき、ロンリー。