姫姉様と兄様達01(長男)


※姫姉様幼少期。









「…あぁ、お前はまたこんなに汚して。」


自室に城オジが飛び込んで来た時は何事かと思ったが、確かにこれでは悲鳴を上げたくなるのも分かる。

とりあえず怪我はないようなので、苦笑しながらその顔の泥を拭ってやれば、ナウシカは大人しく目を細めた。


「元気なのはいいが、怪我には気を付けるんだよ?」

「大丈夫よ。だって、ちぃ兄さまが一緒だもの。」


なるほど、犯人は俺のすぐ下の弟か。

あれが相手では城オジ達もあまり強くは言えなかったのだろう。

それで俺にお鉢が回ってきたという訳だ。


(下の弟妹達の面倒をよく見てくれているようだが…もう少し遊び方を考えるように言わなければな…)


「なぁ、ナウシカ。」


すっかり綺麗になった妹の頭を撫でてその顔を覗き込めば、不思議そうな瞳と目が合った。


「今度、私も仲間に入れてくれないかい?」

「ほんと!?」


一瞬満面の笑みを浮かべたナウシカだったが、すぐにその表情は曇る。

おや?と首を傾げていると、次第にナウシカの顔は俯いていった。


「でも、兄さまの邪魔をしちゃいけないって…」


城の誰かに、そう言われたのだろう。

だが、こんな幼い妹にまで気を遣わせるとは、兄として失格だなと思い知らされてしまった。


「私がいたら邪魔かな?」

「!ううん!そんなことない!」

「そうか。なら良かった。」

「私、ちぃ兄さまにも話してくる!」


そう言い終えるよりも先に駆け出したナウシカを見送り、そっと息を吐き出した。

さて、どうやって城オジ達を撒こうか。

もしかしたら今度は、俺が父上に叱られる番かもしれない。




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(でも僕は族長の嫡男である前に)
(一人の兄でもあるのです)


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嘘つき、ロンリー。