姫姉様と兄様達02(次男)


遊びの途中、急に姿が見えなくなったと思えば、泥だらけだった顔をやたら綺麗にして戻ってきた末の妹。

そして戻ってくるなり、ナウシカはとんでもない爆弾を落としてくれた。


「は?兄貴が来るって?」

「いけない?」

「いや、いけないっつーか…」


俺の曖昧な反応から何かを敏感に感じ取ったらしく、不安そうに首を傾げるナウシカ。

と、いつもならここで「あー、大丈夫大丈夫」と頭を撫でてやるところだが、残念ながら今回はそうはいかない。


だって、兄貴が来る?今から?ここに?


「あー…何しに来るって?」

「兄さまも一緒に遊びたいって!」


いや嘘だろ、それ。

我が家のあの嫡男様が?執務ほっぽりだして?

俺じゃあるまいし。


というか、どう考えても今のこの流れ、俺を叱りに来るとしか考えられないんだが。


『まったく…怪我がなかったからいいようなものの、ナウシカはまだ幼いんだよ?しかも女の子だ。遊んであげるのはいいが、その辺はよく考えて遊びなさい。大体、お前は』


やたら穏やかな口調で、淡々だらだらと説教されるのが目に見えている。

今すぐ逃げ出したくなった。


「ちぃ兄さま?」

「あー、うん、ちょっと待て…今、逃走ルートを練っているから。」

「どうして逃げるんだい?」

「どうしてって、そりゃあ…」


……あー、間に合わなかったか。

振り向けば、やたらニコニコ笑ってる兄貴が「待たせたね」とナウシカの頭を撫でてる。

ナウシカも嬉しそうで何よりだ。

このまま平和的に終わってくれるなら俺も嬉しい。


「二人だけかい?他のみんなは?」

「みんな降参しちゃったの。だってちぃ兄さまったらすごいのよ!」

「へぇ…」


何が、すごいのかな?

と兄貴と目が合い、思わず逸らした。


「ケント?」

「あー、ナウシカ?兄貴も来たことだし、違う遊びにしようか?何がいい?」


びしばしと横っ面に突き刺さる視線が痛い。

だがここで負けてなるものかと、無理矢理ナウシカへ話題を振れば、


「わたし、また腐海遊びがしたい!」


あー…




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(ケント?どういうことかな?)
(あー、いや、うん、まぁ、何て言うか…ゴメンナサイ。)

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嘘つき、ロンリー。