巷で噂の魔法使いと兄弟子02
「…店の場所を教えてくれるだけで良かったんだがな。」
そう吐き捨ててやれば、隣を歩いていた兄弟弟子が苦笑しながら肩を竦める。
「少し入り組んだところにあるんだ。多分、口で言っても分からないよ。」
もう少しだから、ね?
まるで子どもに言い聞かせるように、そう言って俺の顔を覗き込むハウル。
さりげなく繋ごうとしてきた手はとりあえず振り払ってやった。
「…の割に、さっきから全然辿り着く様子が」
「あ、ほら見てケント。あの花、綺麗だね。」
指し示された先には花屋。
「ちょっと寄って行こうか」なんて、俺の返事も待たずにそちらへ向かう背中に思わず溜息を吐いた。
先程からこの調子で寄り道ばかり、だが置いて行きたくても道を知っているのはハウルだ。
仕方なく後に続く。
「…へぇ、この時期に珍しいな。」
「だろう?彩りを考えたら隣の黄色を、」
「いや、向こうにある白がいい。」
この際だ、サリマン先生に土産でも買って行こう。
そうすれば多少帰りが遅くなっても大目に見てもらえる、はず。
急に乗り気になった俺に驚いたのか、ハウルは一瞬目を見開いて、笑った。
「そう言えばさっき、この花に似合いそうな花瓶を置いた店があったね。大通りに戻って―…」
結局この日、目当ての古書店に辿り着くことはなかった。
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まぁ、たまにはこんな日があっても…
(なんて言うと思ったか、コラ。)
(ごめんごめん。また日を改めて案内するよ。)
(もういい、場所だけ教えろ。)
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アンケートより。
リクエストありがとうございました!
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嘘つき、ロンリー。