巷で噂の魔法使いと兄弟子02
結局、兄弟弟子に請われるまま、城に留まってしまった自分の甘さには本当に嫌気が差す。
そしてこのまま二日目に突入しそうな、そんな嫌な予感がして、打開策を探すために俺は行動を起こした。
妨害をしてくるであろうハウルには予め目眩ましの魔法を掛けておいたので、恐らくは今頃、カルシファーのことを俺だと思い込んでいるはずだ。
ざまをみろ、火の悪魔め。
「…しかし、本当に才能の無駄使いだな。」
ひとまず現状を把握しようと、階上のバルコニーから外の様子を眺めていた俺は思わず溜め息を吐いた。
城は今、見覚えのない原っぱを進んでいる。
ハウルの相手に慌てふためきながらも抜かりなく役目をこなす辺り、改めてカルシファーの力の強大さを認識したのだった。
そしてその力が強大であればあるほど、契約者に降りかかる負担は、
(…先生の言う『悪魔と手を切る方法』ってのは、第三者がやることは出来ないのか…?)
いやマダム・サリマンのことだ、出来るものならとっくの昔に施しているだろう。
結局は本人の意思に帰結するという訳だ。ならば、ハウルの意思とは一体何なのか。
(昔は、まだ分かりやすい奴だったんだがな…)
共に同じ師の下で学び育ち、まるで本当の兄弟のように仲が良かった。
少なくとも俺は、そう思っていた。
あの日までは。
『人の心は魔法ほど簡単なものではないのですよ。』
「ケント。」
呼ばれた名前に振り向けば、「やっと見付けた」と微笑む弟弟子。
だが、まるで見知らぬ人間を前にしているかのように、やはりその心を読むことは出来なかった。
「置いていくなんてひどいな。」
それはこちらの台詞
(一言の相談もないまま、)
(あの日、弟は消えた)
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163500hitより。
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嘘つき、ロンリー。