巷で噂の魔法使いと兄弟子02


※WDネタ。







耳を塞ぎたい現実が、そこにあった。


「ケント…」

「マルクル、何か言ったか?」


そう顔馴染みの少年の方へ向き直ると、暖炉の方から笑い声。

そちらを見ることなく、手にしていた箱を投げつけてやれば悲鳴が二つ上がる。


「あ、やべ…今の箱、中身何だったんだ?」

「えっと…あれは確か、ケントさんの写真コレクションだったような…」

「……なら燃えても問題ないか。」

「問題ありすぎるよ!」


というか、俺の写真コレクションって何だ。

まさか他にもあるんじゃないだろうな?


そう思い始めると、どれもこれも怪しく見えて来た。

いや、もしかしたら本の間に挟まって


「ケント!」

「…何だ。」


とうとう痺れを切らした兄弟弟子に、これ以上の無視は無理だと判断した。


「何でっ…!……!」


代わりに沈黙の魔法を掛けてやる。


「……!………!」

「あ?人が折角掃除の手伝いに来てやったのに、一ヶ月前の話を掘り返すお前が悪いんだろ。」


文字通り、声にならない声でなおも何かを訴えるハウル。

よほどチョコレートを貰えなかったことが堪えているようだ。


そこに、見るに見かねたらしいマルクルがこっそりと俺に耳打ちしてきた。


「ハウルさん、実はプレゼント用意してるんですよ。」

「は?」

「ケントさんが、チョコのことを一言でも謝れば渡そうって。」


何だ、その上から目線。

ちらりとハウルを盗み見れば、何かを期待するような目。


溜息一つ吐いた。


「アホか。」





さらにターに

ちょっと苦すぎますか?

(……!)
(お、まだ何か言ってるぞォ。)
(ほっとけ。)
(ハウルさん、何を用意してたんでしょうね?)


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テーマ:お返しなしのホワイトデー

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嘘つき、ロンリー。