生徒会長と同級生01


「んあ?」


水呑場で水を飲んでいるとすぐ傍らに人の気配。

もうすぐ休憩時間も終わる頃なので、てっきり部員の誰かが呼びに来たのかと思えば、


「かいちょお?」


あ、やべ。
水が垂れた。

口元を拭いつつ蛇口を止めれば、そこにいたのは我らが港南学園の生徒会長。

不自然に逸らされた目はいつものことなので、とりあえず無視することにした。


そして「何か用か?」と問い掛ける前に、水沼の手にある一枚の紙に気付く。


「あぁ、今度の部長会議の…」


わざわざ持って来てくれたのか。

そう思い、お礼を述べながら手を差し出したが、渡されたのは紙ではなくタオルだった。

というか今これ、どこから出したんだ?


「使っていいのか?」

「ぬ、濡れたら、困るだろう…」


なるほど、そりゃそうだ。

ということで準備のいい水沼に感心しつつ、有り難く使わせてもらおう。


どうせ後で洗って返す物だし、と首筋を伝う水やら汗やらも一緒くたに拭ったのは内緒だ。


「…っし、綺麗になったな。」

 

これで紙を濡らす心配はあるまい。

そう自己完結し、改めて本題に入ろうと水沼に向き直ったところで、


「え、あ、おい…?」


何故か引ったくるようにタオルを奪われてしまった。

代わりに胸元へ押し付けられたのは件のもの。


「わ、たしたからな…会議、おっ、遅れるなよっ」

「いやその前にそれ、ちゃんと洗って」


返すから、と最後まで言えず、急ぎ足で去っていく水沼の後ろ姿を見送った。


「…生徒会って忙しいんだな……あ。」


ふと視線を下ろせば、押し付けられて少し皺になった一枚の紙。

汚れた練習着に触れたおかげか、それはほんのり濡れていた。





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意味がなかったな、と思わず笑ってしまった。

(会長直々に渡しに来た意味も)
(タオルを持っていた意味にも気付かぬ鈍感です)


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アンケートより。
リクエストありがとうございました!


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嘘つき、ロンリー。