生徒会長と新聞部部長とOB03
かれこれもう何度目かになる母校訪問を「よほど暇なんですね」と指摘された俺は、そこでようやくハッと我に返った。
返ったついでに指摘してくれた後輩に感謝の意を込め、その首を小脇に抱えて幾分きつく締め上げてやることにする。
「ちょ、ケントさ」
そもそも俺の役目は何だ?
少なくとも、こうして後輩達と無駄に交流を深めるのが目的ではなかった。
事の発端はそう、我らが港南学園、部室棟カルチェラタン存続の危機。
その回避に必要な援助を得るため、卒業生と在校生の、云わば橋渡しのようなものだったはずだ。
下世話な話ではあるが金を出してもらう以上、勿論経過報告は必須だが、だからと言ってここまで頻繁に様子を見に来ることもないだろう。
なぁ?と同意を求めたところで水沼は応えず、代わりにふと目が合った風間にまたその旨を告げると、
「それは困る。皆の士気が下がってしまいます。」
「俺の士気を絶賛下げている奴らが何言ってやがる。」
件の写真、未だ返って来ず。
それどころか『北斗女史』の出現のおかげで、俺の精神はごりごりと削られていくばかりだ。
あぁ、胃が痛い。
「というか、本当に士気云々を言うならむしろ俺はいない方がいいんじゃないか?見知らぬ卒業生の存在なんて圧力以外の何でもな」
「そんなことはない!」
突然、近くから上がった大声に思わず肩が震える。
その拍子に力が緩んだのか、俺の腕から抜け出した水沼が咳き込んでいたが、それどころではなかった。
何やら拳を握って熱弁し始めた学生は確か哲学研究会だと聞いた気もするが、それも今はどうでも良かった。
それよりも何よりも問題なのは、そのポケットからひらりと落ちてきた一枚の、写真。
「「「あ」」」
ギリッ、と痛む胃の辺りを反射的に押さえる。
そして「まさか…」と思いつつ、周囲に視線を向ければ、誰もが皆、ばっと俺から目を逸らしたのだった。
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(……なるほど。ここに来ると、いつも妙に視線を感じる気がしていたのはこのせいか…)
(最初に言ったじゃないですか。男共の士気昂揚のために)
(写真バラまいたって?いや、聞いてねぇし。というか、ふざけんな!)
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嘘つき、ロンリー。