設計士の同僚と同僚01


「もう帰れ、お前。」


机に齧り付く、鬼気迫る姿を見るに見兼ねてそう進言すれば、邪魔をするなとばかりに睨まれた。

いや、本庄は元々切れ長の鋭い目をしていて、ここ数日中に拵えた隈がさらにそれを強調しているだけかもしれない。


「仕事熱心なのはいいことだがな…ここ数日、その席から離れたお前の姿を見ていないぞ。」

「お前だって似たようなものだろう。」

「俺は適度に帰っている。現に今から帰るところだ。」

「…二郎は、」

「とっくに帰ったよ。」


正確に言えば、無理矢理帰らせた。

向こうもなかなか強情だったが、本庄に比べれば素直なものだ。


それにきっと、本庄のことだから堀越を引き合いに出してくるだろうと、先手を打っておいて正解だったようだ。


「……………分かった…」


やけに空いた間が気になったが、まぁいい、言質は取った。

渋々頷いたものの、なかなか動こうとしない本庄に呆れながら、代わりに帰り支度を整えてやる。


こうなれば後は実力行使だ。


「まったく…誰もいない家に帰るのが寂しいのか?ならさっさと嫁でももらえ。」

「……そうか。それもそうだな。」


からかうつもりでそう言えば、まさかの同意が返ってくる。

どうやら今回はかなりの重症のようで―…




「ケント、嫁に来い。」




「…よし、分かった。もう帰れなんて言わない。とりあえず休め。とにかく寝ろ。」





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(まずは正気を取り戻せ)
(それでも同じ言葉が言えるなら、その時は)


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嘘つき、ロンリー。