姫姉様と神様02


※映画終盤、王蟲の暴走後。










ヒトとは不思議な生き物だ。

だからこそ僕は心惹かれてしまう。


「ナウシカ…ナウシカ…」

「…ん……ケント…?」

「あぁ、名前…覚えていてくれたんだねぇ…」


嬉しくなってにっこりと微笑めば、いつかのようにナウシカも微笑み返してくれる。

だけどその笑みはどこか弱々しく、うっすらと開かれた瞳も虚ろげだった。


「眠いのかい?それならもう少し眠ればいい。」

「でも、王蟲が…」

「王蟲なら止まったよ。君が止めたんだ。」

「え…」


僕の言葉にナウシカはそっと上体を起こせば、彼女のキツネリスがその肩に乗る。

ゆっくりと辺りを見渡した彼女の目にはきっと、黄金の草原のように映っただろう。


「ほら、下を見てごらん。あの子もお礼を言ってるよ。」

「!…良かった…無事戻れたのね…」


彼女が優しく微笑む。

僕はますます嬉しくなった。


(あぁ、君はあの頃からちっとも変わっていない…)


姿形は変わってしまうのに、ヒトとは本当に不思議な生き物だ。


「…直に風も戻ってくるよ。だから君もみんなのところへお戻り。」

「?ケント…?」


だからこそ僕は心惹かれてしまうのだと思う。


「また、会いに来るよ。」




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忘れてしまうならそれでいい
夢だと思うならそれでもいい

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嘘つき、ロンリー。