飛行機設計技師の少女と幼馴染02
燃えるような、真っ赤な機体。
それを目の前にして、ケントは感心したようにしみじみと溜め息を漏らした。
「なんか、トマトみたいだな。」
「トマトって、あんたねぇ…」
普通、そこは炎とかじゃないの?
なんて呆れて笑ってしまったけれど、私もきっとケントならそう言うだろうなと、何となくそう思っていた。
それは『料理屋の息子だから』と言うより、『ケントだから』。
そして野菜に喩えたその口で、ケントは「綺麗だ」と呟く。
「これが今、お前が造っているやつか?」
「造っているんじゃなくて修理しているだけよ。」
「どっちにしろ、凄いことには変わりないだろ。」
「…ありがと。」
ひどく雑な誉め言葉なのに、妙にくすぐったい。
それをごまかすように、私もわざと素っ気なく返してみせた。
「なぁ、少し触ってみてもいいか?」
「いいけど、傷付けないでよね。」
言ったそばから機体の方へ、スッと伸ばされるケントの手。
少しの迷いも恐れもなく、そこにあるのはただ純粋な好奇心だけ。
普段は無愛想なケントの横顔も、今だけは子どもっぽく見えた。
(そういえば、前にケントのことを怖いって言った女の子がいたっけ?)
もしあの子が今のケントを見たらどうなるんだろう?
「思ったより冷たいんだな…」
そして指先がそれに少し触れたところで、ケントはまたしみじみと息を吐き出した。
----------------
(触れる前から火傷の心配なんて、)
(そんなの、ただの言い訳じゃない)
---------------
リクエストありがとうございました!
*前
戻る
嘘つき、ロンリー。