姫姉様と幼馴染02
ふとした瞬間、目を逸らされることがある。
負い目、のようなものかもしれない。
「そろそろ城に戻りましょうか。」
そして俺は、いつもそれに気付かないフリをした。
「……うん。」
顔に傷などそう大したことではない。
特に男である俺にとっては。
だがいくらそう言い聞かせても、女であり、特に心優しい姫様には通じなかったようだ。
マスク越しではどうせ聞こえぬと高を括って、溜息を吐く。
「……あ。」
「?なぁに?」
「姫様、頭に葉っぱが。」
「えっ?」
歩き始めた矢先、また足を止める。
どこどこ、と見当外れなところを探る姫様に小さく笑い、手を伸ばした。
その瞬間。
「っ……」
「ケント?」
腕が強張った。
不思議そうに首を傾げる姫様に気付かれぬよう、歯を食いしばる。
「…美しくなられましたね、姫様。」
真っ赤に染まる頬。
そして姫様が俯くと同時に、ぎこちない手つきで葉っぱを取り払った。
「取れましたよ。」
「……ありがとう。」
大丈夫。
気付かれてはいないはずだ。
「さぁ、行きましょう」と促せば、姫様はまるで逃げるように俺より先へ歩きだした。
また笑ってしまう。
(俺も大概姫様を困らせるのが好きだな…)
だが、もう少しだけお付き合い願いたい。
「っ、ケント!早く!」
「待ってください、姫様。」
腐海の毒はすぐそこまで侵蝕していた。
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(あなたの傍にいたい)
(一分でも、一秒でも長く)
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アンケートより。
リクエストありがとうございました!
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嘘つき、ロンリー。