▽熱風SS▽東の青年と六人


※6人の主人公によるオムニバス形式。
※一話一話がとても短くなっています。









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×青年主
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珍しくアシタカが歌っていると思えば「ケントが歌っていたので。」

ケントに問えばまた「カヤが歌っておりました。」

そしてカヤは、


「流行りの恋歌なんです。」


同じ歌を口遊みながら、想う相手のなんと違うことか。




【三重唱】



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×同行主
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「俺、三日月って好きだな…」

まるで刃のようで凜とした気持ちになる。

そう話すケントの隣で同じように月を見上げた。


「…私はあまり好きではない。」


この暗さではそなたの顔もよく見えないのだ。

ケントは笑った。




【三日月】



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×石火矢主
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仕事を手伝え、とゴンザ殿に腕を掴まれた。

するとケントは今私と話しているところだ、とアシタカ殿がその手を掴んだ。

一触即発の状況に慌てて俺がその手を掴み、止めに入る。


「「「…………」」」


何だ、これ。




【三竦み】



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×カヤ兄主
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私の兄、ケントは少し残念な人だ。

性格は明朗快活。顔も、妹の私から見てもなかなか整っていると思う。のだけど、


「勝負だ、アシタカぁっ!」

「あぁ、ケント。今日は何をする?」


…アシタカ様が絡むと駄目だった。




【三枚目】



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×あかイおに主
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「ケントってこの国一番ですよね。」


数日前の落石を軽々と持ち上げるケントを見て、村の乙女がぽつりと呟いた。


「そうだな…」


ケントほど可愛い者はいない。

そう同意すれば、何故だが乙女は顔を引き攣らせた。




【三国一】



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×ジコ坊成代主
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「……」

「…アシタカ、拙僧の手がどうかしたか?」

「いや、美しい手だと思って。」

「馬鹿か、お前。」

「しかしエボシ殿は、そなたは三味線が上手いと言っていたのだが。」

「……」

「胼胝の一つや二つ…ジコ坊殿?」




【三味線】





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三周年記念小説より。
『三の付く6の言葉~100字縛り編』


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嘘つき、ロンリー。