▽熱風SS▽踏鞴場の長の従者と僧成代
ゴンザは『ジコ坊』という男が気に入らなかった。
顔の良さ、頭の良さ、愛想の良さ。
それらの内どれ一つ取ってみても気に入らず、だがどれ一つ持ち合わせぬ身の上ではそれは「ただの妬み」と切り捨てられるのが落ち、だったが。
『ゴンザ殿。』
『惚れておられるのでしょう?』
『なに、男同士、腹を割って話そうではありませんか。』
『よろしければこのジコ坊、お手を貸しいたしましょう。』
とにかく、ゴンザは『ジコ坊』という男が気に入らなかった。
だから、
「いらん!」
「……エボシ殿は良き連れをお持ちのようで。」
そう言ってジコ坊は可笑しげに笑った。
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(あれはゴンザ殿の忠誠心を試しただけだったのだ、と)
(ジコ坊はそう嘯いた)
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嘘つき、ロンリー。