本と楽器のハーモニー

日曜日


明るく可愛く
気立てがいいのは








「あ…」


力を入れすぎて余計なところまで削ってしまった。

初歩的なミス、集中出来ていない証拠だ。


背後から祖父の苦笑が聞こえて来る。


「聖司、明日からまた学校だろう?今日はもう休んだらどうだい?」

「……そうする。」


思えば昨日借りてきた本も大して読み進んではいなかった。

元々調子が悪かったらしい。


さっさと家に帰って寝よう、と早速作業台の片付けに取り掛かる。


「…随分疲れているみたいだなぁ。」


その手つきが何となく覚束なかったせいか、心配そうに顔を覗き込む祖父に苦笑を返した。

そこでふと何かを思いついたようだ。


「ほら、お友達から貰った温泉のお土産があったじゃないか。あれを使わせてもらったらいい。」

「、いや、あれは」




『奇遇だなぁ…あ、ここ座っていい?』




「聖司?」

「…何でもない。あれはまた今度使うよ。」


おやすみ、と告げて少し逃げるようにして工房を出た。


調子が出ないのは多分、明日またあの同級生と顔を合わせるからだ。


妙な別れ方をしたせいで、色々と気まずくなってしまった。


(…なんか、頻りに謝ってたな…)


むしろ謝らなければいけなかったのはこっちの方だ。

話し掛けられても碌に返事もせず、変に気を遣わせ続け、挙げ句に最後は何も言わず席を立った。


改めて振り返れば、自分でも態度が悪かったと思う。


(……最後のアレは仕方ないとして。)


明日会った時には何か一言あった方がいい。

謝罪でも何でも。


でなければ、もらった土産に手を付けることが出来ない。

それに折角縮んだ距離も、なかったことになってしまうような気がする。


(よし、明日…)




『お前って本当、かっこいいよなー…』



…ちゃんと顔を見て話せるかどうか、心配だ。




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おやすみの日に生まれた子ども


夏休み終了!

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嘘つき、ロンリー。