奏でる人々

帰宅部の場合


「はよー。」

「おーす。」

「いやー焼けたねぇ。どこ行ってたの?」

「いやいや、ほとんど行動範囲一緒だったっしょ。」


夏休み明けの一発目。

気分を出そうと定番の挨拶を並べれば、相変わらずケントのノリは悪かった。


曰く、『朝からお前のテンションは面倒臭い』とのこと。

それにまた不平を漏らせば、「はいはい、学校着いたら付き合ってやるよ」なんて気のない返事と欠伸が返ってきた。


「そういや剣道部はどうした?一緒じゃねぇの?」

「早朝稽古だって。そっちの野球部は?」

「寝坊っぽい。遅刻しそうだったから置いてきた。」


野球部の方は朝練とかないのだろうか。

なんて考えているとそこではたと会話が止まった。


「あー…宿題した?」

「お前らのおかげで、夏休み終了四日前には。」


ケントの言う通り、夏休み中はほとんど一緒に過ごしたので目新しい話題も特にない。

強いて言えば、祖父母の家に行った話ぐらいか。

だがそれも毎年恒例のことで、学校に到着するまでの間中は持ちそうになかった。


「お、天沢だ。」


と、そこで救世主の登場。


「そういえば痴話喧嘩、その後どうなった?」


やはり天沢はこしあん派だったのだろうか。

何となくそんな顔をしている。


なんてどうでもいいことを考えていると、「お前、日本語勉強し直してこい」と頭を叩かれた。


はて、俺は何か間違えただろうか。


「その様子だと、もしかして仲直り出来てない?」

「…別に喧嘩した訳じゃねぇけど、何ていうか…言い逃げした?」

「あちゃー。」


夏休み中のシコリは夏休み中に消化しなければ。

これ、学生の基本です。


「仕方ないなー。友人として、ここは俺が一肌脱ぎましょうかねー。」

「は?」




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(てことで、おーい。天沢ー。)

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嘘つき、ロンリー。