天空の城を目指す物語
はじまりのはじまり
きっかけなど、いつだってそう大したものではない。
「っ、貴様っ!上官に逆らう気かっ!」
ラピュタ探索の打ち合わせに訪れた一室。
不意にそんな怒鳴り声が聞こえ、書類から顔を上げればバツの悪そうな顔をした男と目が合った。
「…制服さんは元気があっていいですね。」
「はっ!これはこれはお聞き苦しいものを…大佐っ!?」
男の制止も無視し、腰を上げて窓へ近寄ってみる。
どうやらすぐそこが訓練所になっているらしい。
「申し訳ありません!すぐに注意して」
「いや、構いませんよ。」
下っ端の諍いなど、本来なら視界にすら入らない。
それが制服連中なら尚のこと。
興味を持ったのはほんの気紛れにすぎなかった。
「いえ、自分はただ」
「発言を許可した覚えはない!」
上官に怒鳴られ、不満げに口を閉じる部下。
随分と若そうだ。
「あれは…」
「は?軍曹でありますか?」
「いや、そちらではなく」
「何か面白いものでもありましたかな?」
第三者の声に男が慌てて敬礼する。
ようやく将軍閣下のお出ましか。
遅れて来たにも関わらず、悪びれた様子を見せない太った男はまさに権力の権化。
皮肉の一つでもこぼしてやろうかと振り向く寸前、あることを思い付いた。
「閣下、一つお願いがあるのですが」
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犬を飼うのも悪くはない。
ただ、そう思った。
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嘘つき、ロンリー。