天空の城を目指す物語

第六話


「ラピュタなんて見つからなければいいんだわ…」

そう呟いた彼女の声が、今でも俺を迷わせたまま。







最後の一人を縛り終え、ケントは女船長の方へ向き直った。


「アンタ、知ってたんだろう?俺がナイフを隠し持ってるって。」

「さぁねぇ…」


未だ笑う余裕があるのは年の功か、それとも船長としての威厳か。

どちらにせよ、ケントは己の未熟さを思い知らされた気がして、小さく舌打ちする。


「…せめてもの恩情だ。今後の処遇について、上に掛け合ってやる。」

「くくっ…そうかい。」


ありがたいねぇ。

揶揄を含んだ声色に眉を顰め、何か言おうとケントが口を開きかけた瞬間、不意に複数の足音が聞こえてきた。


「っ、ケントっ!無事かっ!?」


駆け込んできたのは数十時間振りに見る同僚の姿で、ケントは再度女船長を一瞥しナイフを仕舞った。


「…ご心配をお掛けして申し訳ありません。制圧完了しました。」


もうここに用はないとばかりに同僚の背中を押し、外へと促すケント。

急かすようなケントの態度に困惑しながらも、その無事な姿に安堵したせいか同僚は大人しく従う。


その後ろ姿を見送って、女船長は溜息を吐いた。


「……甘いねぇ…」


誰一人傷付いた者はおらず、ドーラが隠し持った武器もそのままだった。




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気にしなければ、気にならない。

でも、一度でも気付いてしまえば?

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嘘つき、ロンリー。