本と楽器のハーモニー

月曜日


(空いてる席は、と…)


図書館なんて、いつぶりだろう。

空席を探しながら、懐かしさよりもデジャヴュを感じる辺り、初体験と言っても良さそうだ。


正直に言おう、少しドキドキしている。


(多い、って訳じゃねぇけど…誰もいない机ってのはさすがにねぇなぁ…)


早く席に着いて、心も落ち着けたいところだが、なかなかいい席が見付からない。

ここは贅沢を言わず、相席を覚悟して、


(初対面で声を掛けるってまじ緊張する……ん?)


相席の相手を見定めていると、不意に近くの席が黄色くざわめいた。

見れば同年代ぐらいの女子グループが何やらきゃあきゃあと楽しそうにしている。


(何見て……おぉ!)


その視線を辿ってみれば、見慣れた同級生の姿。

何で今まで気付かなかった、俺。

でもラッキー。


「ちーす。」

「っ!?」


声を掛ければ、天沢の肩が一瞬跳ねた。

よほど驚いたらしいが気にしない。


それより知り合いがいるって本当、安心する。


「奇遇だなぁ…あ、ここ座っていい?邪魔しねぇからさ。」

「…あぁ。」


スマイル0円で交渉してみれば、素っ気ない了承が帰ってきた。

さすが天沢。
なんてクールな奴だ。

そして出来ればもう少し、フレンドリーにお願いします。


さっさと読書に戻った天沢に対し、これ以上世間話は望めないと察した俺は天沢の対面に座って宿題のプリントを広げた。

ちらっと盗み見すれば、机の上に何冊も難しそうな分厚い本を積み上げられている。


(あぁ、本当、天沢らしいわ。)


きっと宿題も全部済ませているはず。

なんて勝手に自己完結しつつ、俺もようやく自分の宿題に取り掛かり始めた。


またどこかで女子の囁き合う声がする。




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美しいのは 月曜日の子ども

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嘘つき、ロンリー。