本と楽器のハーモニー

火曜日


図書館ということで冷房を期待していた俺は、昨日一日目にして思い知った。


節電対策で窓全開。

ダイレクトに聞こえて来る蝉の声が「これぞ夏!」を演出している。


熱中症になったらどうしてくれんだ、コルァ!と暑さで我を忘れそうになったものの、周りを見れば皆涼しげにしていた。


え?俺だけ!?なんて戸惑いつつ、二日目の今日は俺なりにちゃんと対策を考えてきた。


「…あっちー…」


パタパタと扇いだ扇子は下敷きなんかより断然いい。

鞄の中には保冷機能のある水筒もスタンバイしている。


そして極めつけは、


「こりゃあ残暑どころの騒ぎじゃねぇよなぁ…」


上着を脱いでのノースリーブ姿。

これは公共の場ということで少し迷ったが、昨日の帰りがけにちらほら見掛けていたのでセーフだろう。


というか、あの斜め前の女子大生風のお姉様は少し際どすぎる気も、


「…おい。」

「ん?」


すっかり空気になりかけていたが、今日も今日とて俺の前に座っている天沢が珍しく向こうから声を掛けてきた。

当たり前だが、天沢も涼しげな顔をしている。


「何だ?」

「みっともないから上を着ろ。」

「…え?」

「着ろ。」

「…………」


訂正、冷ややかな顔をしていた。

何となく「すんません」と言いたくなる視線だ。


(そんなみっともないか…?)


しばらくは抵抗したものの、結局その目力に負けた俺は渋々上着を羽織る羽目になるのだった。





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品の良いのは 火曜日の子ども

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嘘つき、ロンリー。