イチャコラ祭
赤鬼主
※現パロ同棲設定。
『そなたらを見ているともどかしくて仕様が無い。どれ、拙僧が一つ後押ししてしんぜよう。』
気遣わしげに、というよりもどこか愉しげなジコ坊殿から昨日渡されたのは一つの小瓶。
中身は無色透明の液体で、「これをあの赤毛に飲ませるがよい」とジコ坊殿は言った。
だが得体の知れない物をケントに飲ませる訳にはいかず、かと言ってジコ坊殿の好意を蔑ろにするのも憚られる。
そうしばし考え込んだ末に、一度試しに自分で飲んでみることにした。
(タタリ病にも耐えたのだ…多少の事なら問題はないだろう。)
とりあえず一口。
特に味はなく、変化もない。
首を傾げ、また一口。
やはり変化はない。
さらに一口…
「…………?」
そうして結局全て飲み干してしまったが、別段何も起こらなかった。
どうやら中身はただの水で、ジコ坊殿も発破をかけただけのようだ。
「アシタカ様ー、お茶が入ったっすよー。」
「あぁ、今行く。」
階下からの呼び掛けに応え、一先ず小瓶については後回しすることにした。
明日にでもまた、ジコ坊殿に話を聞けばいい。
「待たせてすまない。」
「いえいえ!温くなったらまた淹れ直せば、」
そしてケントと目が合った瞬間、ケントの手にあった盆が粉砕した。
「ケント?」
「い、犬じゃないんすね…」
「犬?」
一体何の話だと問い返す間もなく、連れて行かれたのは洗面台前。
そして促されるまま、鏡を見れば、
「うさぎ…?」
白く長い耳が私の頭から二本、生えていた。
「し、新種の病気か何かすかね…?」
「っ…」
「アシタカ様!?大丈夫すか!?お気を確かに…!」
思わず口元を押さえて身悶える私に、おろおろと慌てだすケント。
私は早まったことをしてしまったようだ。
今更ながら、あれはケントに飲ませるべきだったと後悔した。
(うさぎの耳が生えたケント…ぜひとも見てみたかった…!)
明日、ジコ坊殿にもう一瓶いただけないか交渉してみよう。
そう決心している間、私からの返事がないことにケントの顔はますます青ざめていく。
「ここはヒィさまに…いや!今こそ、シシ神の首を獲りに行く時っすよ!」
そうと決まればエボシさんにも助力を請うっす!と今にも家を飛び出そうとするケントを呼び止め、有無を言わせず腕の中に閉じ込めた。
「あ、アシタカ様?ぐ、具合でも悪いっすか…?」
「…ケント、私はどうしたらいい?」
ずっと寂しいのですが、なんとかなりませんか
(!治るまで、俺が24時間ずっとお側にいるっす!)
(…一生治らなかったら?)
(一生お側にいるっす!)
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嘘つき、ロンリー。