馬蹴祭

特務大佐と従者


通りすがりの、可哀想な旅人の話。








「ー…確かに、『ここ』で暮らし始めた頃は色々と不便なことばかりでしたよ。」


だが不慣れにも慣れたのだと言って、男は肩を竦めて苦笑した。


「一番痛かったのは、やはり食糧ですかね…『ここ』は痩せた土地なので、なかなか思い通りに育たず大変でした。」


幾らか残っていた軍の保存食で食い繋ぎ、試行錯誤の末、何とか今の形に完成したというその畑は確かに見事なものだった。


ただし、そこかしこに仕掛けられた狩猟用の罠さえ気にしなければ、の話だが。


「あぁ、あれですか?えぇ、そうです。あれらは害獣駆除のために必要な物でして。」


食用でもなく娯楽でもなく、ただの『駆除』。


不意に治まりかけていた足の痛みが疼きだし、思わず呻き声を漏らしてしまった。

それが聞こえたらしく、男は気遣わしげに首を傾げ、何か言おうと、




「ケント。」




開きかけた口は閉ざされ、男の顔にうっすらと笑みのようなものが浮かぶ。




「ケント。どこにいる?」




二度目のその呼び掛けに男は立ち上がると、恭しげに頭を垂れた。


「…失礼。主がお呼びのようですので、この辺で。お話し出来て良かった。」


そして顔を上げた次の瞬間、男の手には銃が握られていた。




「それでは、さようなら。」




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(ここは天空の城、ラピュタ王のおわします地)
(誰が何と言おうと、それは変わらない)

(邪魔は、させない)


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拍手&リクエストより。
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嘘つき、ロンリー。