馬蹴祭

新聞部部長と恋人


焦れったい恋人達の、その周囲の人々の話。
(友情出演:生徒会長)









交際中でありながら、一切それらしい素振りを見せない恋人達。

いつ自然消滅してもおかしくないその関係に、当事者よりも周囲の人間の方が焦りを覚えていた。


そしてそれらを代表し、一計を案じたのは二人の共通の友人である生徒会長だった。


『お互いの好きなところを十個ずつ?』

『急に何を言い出すのかと思えば…』

『無理なら最低五個ずつでもいい。でなければ、ここは開けられないな。』


場所は文藝部兼考古学研究会兼週刊カルチェラタン編集部、部室。

困ったように顔を見合わせる件の恋人達と会長の三人を中に残し、後の者達は扉を閉ざしてその瞬間を待っていた。


持久戦も覚悟の上だった。


が。



『それ、余計難しいって。』



こんなはずでは、なかった。







「んー、そうだなー…真剣な顔をしている時とか好き、かな…?あ、あと不意に無邪気な笑顔を浮かべる時とか?」

「ケントはいつも無邪気そうだけど。……そんな睨んでも可愛いだけだからな。」

「可愛いって何だよ、それ。嬉しくないなぁ…。それからガリを刷る手付き…あ、いや。手を握った時の温もりも捨てがたい。」

「それなら俺だって、俺に置いてかれまいと必死に手を握り返す様子が好きだ。」

「とか何とか言ってお前、いつもちゃんと俺の歩幅に合わせてくれてるじゃん。優しいよなぁ。」

「隣に並ばないとお前の顔が見えないだろ。」

「でも俺、風間の後ろ姿も格好いいなぁって思うけど。ほら、自転車で二人乗りしてる時とか。」

「あぁ…その時、俺の腰にしがみつく腕の細さもいいかもしれない。」

「……なぁ、なんかさっきから聞いてると、俺ってそんなに頼りない?」

「いいや。ただ、そんな時しか俺に頼ってこないだろ。」

「そんなことないよ、頼りにしてる。だって風間がいないと、俺、駄目だし。」

「俺だってそうだ。」





「…えーっと、それで何の話だったっけ?好きなところを十個?やっぱ難しいなぁ…」

「…なぁ、水沼。どうしても十個に絞らないと駄目なのか?」





「っ……!」

「「「か、会長ぉぉぉぉぉっ!!」」」





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(こうか は ばつぐんだ!)
(カイチョウはノロケにあてられた!)

(…どうやら余計なお世話だったようですね)


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リクエストありがとうございました!

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嘘つき、ロンリー。