慰労&感謝祭

濡れ衣です。


最近、どうもツイていないような気がする。


靴の紐は三足連続で切れ、にわか雨に遭遇すること五回。

歩き出せば必ず赤信号に捕まり、行列に並べばいつも自分の手前で売り切れる。


仕方なく別の店で買うことにしたら、買って店を出た途端通行人にぶつかって無情にもそれは路上へと落下。


「…美味いか?それ。」


そして憐れなホットドックは顔馴染みの黒猫の腹の中へと消えていった。

ナァ、とまるで返事をするように鳴くのを聞いて、空になった皿にミルクをまた注ぐ。


「ジジ!やっぱりここにいたのね!」


そこへパタパタとキキが駆け寄ってきた。


「もう!またケントにミルクもらって!それも食べ物まで!」

「いや、俺は別に構わないよ。」


どうせ落とした物だし、と心の中で付け足す。

勿論それはキキには届かず、何やらジジと言い争っている。


(だけど、本当にツイてないな…)


俺は何かしたのだろうか。


最近変わったことと言えばこの魔女の友人が出来たことと、その飼い猫に懐かれたことぐらいなんだが。


「…あぁ、なるほど。」


そこでふと思い当たる。


「お前が原因か。」


黒猫が不吉の象徴だと最初に言い出したのは誰だったのだろう。

そう苦笑しながら、顔を埋めるようにしてミルクを飲むその背中を撫でれば、まるで抗議するようにジジは「ナァ!」と鳴いた。







濡れ衣です。

(いくらボクが黒猫だからって…あぁ、もう!こんな時、ケントに言葉が通じれば…!)


2013.9.23

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嘘つき、ロンリー。