▽悪男SS▽零二と世話係
※零二坊ちゃんの守銭奴な世話係兼同級生主。
※微下ネタ注意。
「え?転校?」
と一瞬驚いた玄兎だったが、すぐに「豪田さんも冗談とか言うんスね」と笑ってそれを流そうとした。
冗談だったらどれほど良かったかと溜め息を吐きつつ、無言で転校に必要な関係書類を差し出せば、瞬時にその顔が引き攣る。
「…え、まじッスか?」
「あぁ、また坊ちゃんの悪い癖が出てな…」
今の高校に入って、未だ一週間足らず。
クラスメイトの名前を覚えるより先にトラブルを起こした『坊ちゃん』は最早病気だとしか思えなかった。
そんな豪田の心境をまるで見透かしたように、「もういっそ去勢した方が早いんじゃないッスか?」と書類を受け取った玄兎がうんざりした顔で吐き捨てる。
「というか、ちょっと俺が目を離した隙に何ヤッちゃってくれてんスかねぇ、零二坊ちゃんってば。ここまで来ると手が早い云々じゃなく、ただの早漏っスよ、そーろー。」
「問題はそこだ。」
「え?早漏が?」
「違う。」
そもそもこういう事態に陥らないようにと、玄兎はお目付け役として常に零二の傍に置かれているはずだ。
年近いことを良いことに同じ高校へと転入し、クラスも同じになるように毎回裏から手を回している。
だというのに、この失態。
当然悪いのは零二本人だが、玄兎にも一因はあるだろう。
「何でお前は坊ちゃんから目を離すようなことをしたんだ?」
「いやぁ、すんません。ちょっと『オトモダチ』作りに励んでたもんで。」
「ともだち?」
どうせ競馬新聞か何かを読んでいたのだろうと思っていただけに、豪田は一瞬その言葉の意味が解らなかった。
が、すぐに「こいつにも高校生らしいところがあったのか…」と感動しかけ―…
「だって便利じゃないスか?罪を擦り付けることが出来る『オトモダチ』。」
「…………」
「そしたら示談に払うお金、少しは俺のお給金の方に回してもらえるっしょ?」
そう言って無邪気に笑う玄兎に対し、豪田は何か言おうと口を開きかけ、結局諦めて溜め息を吐き出したのだった。
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あの主にしてこの従あり。
そして肝心の坊ちゃん、うっかり不在。
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嘘つき、ロンリー。