重隆の幼馴染01


幼馴染みのマネをして、ストローをくわえてジュースをブクブクしていたら「止めろ」と隣から注意された。


言われた通りに止めると、また沈黙が落ちる。


「…………」

「…………」

「……………」

「……………」

「……………あー、真木クン?」

「何だ。」


いや、「何だ」と言われても特に何もないのですが。

沈黙に耐えかねて、つい口を開いてしまっただけなのですが。


「えーと…?」


俺とは違い、真木クンは沈黙が苦にならないタイプらしい。

じっと俺を見つめ、俺の次の言葉を静かに待っている。


(いや、そんな待たれても。本当に何もないんだけど…)


さて、どうするか。


学校の話、は別々の高校に通ってるから無理だし。

チームの話、はチームを抜けた真木クンには関係ないし。


というか今更だけど、チームを抜けた真木クンと一緒にいたら何か誤解されね?

重隆のやつ、怒ったりしね?


あいつ、変なコンプレックス持ってるから、一度拗らせるとかなり面倒なことになるんだよなぁ…


なんて思いつつ、無意識にまたストローをくわえてブクブク始めたら、「おい」とまた注意をされた。


「あ、ごめんごめん。」

「……………」


あれ?そもそも真木クン、何でここにいんの?俺の隣に普通に座ってんの?

たまたま俺しかいなかったから良かったものの、ここ、六鬼會御用達のお店ですよ?

幹部時代の習性で、ついつい来ちゃったの?


「うーん…」

「……玄兎。」

「んあ?」


この謎のツーショットをツッコむべきかどうか悩んでると、不意に口を開いた真木クンに、俺は思わず間の抜けた声を出してしまった。


「何か、困ってるのか?」

「………うん。困ってるね。」


正に君のせいで。

と言外に含ませたのが通じたのかどうか知らないが、「そうか」と言って立ち上がる真木クン。


帰るのかと思えば次の瞬間、何故か俺の腕を掴んだのだった。


え?





謎の逃避行、開始。

(真木クン曰く「借りを返す」とのことだが、それとこれと一体どんな関係があるのか)
(いや、そもそも借りって?)

(そして俺が勝手に六鬼會を抜けた、と勘違いした重隆は案の定キレて、少し面倒臭いことになるのだった)

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嘘つき、ロンリー。