マイキーと銭湯の客02
※原作軸過去。
※残念ながらカッコいいマイキーはここにはいません。
風呂の修理及び諸々のリフォームが終わって数日。
正直俺にはどこがどう変わったのかよく分からなかったが、両親共に満足げにしているので、きっと全て計画通りに上手くいったのだろう。
俺もあの銭湯にもう二度と行かずに済むなら大満足だ。
夕食後の面倒な往復は勿論、衣類盗難による余計な出費がなくなるというのは懐的にも大変喜ばしい。
被害の中でも、特にお気に入りのTシャツを盗られたのは一番の痛手だった。
(どこも品切れかよ、クッソ…再入荷の予定もねぇっていうし…)
だが、ないものは仕方がない。
気分を切り換え、「夕飯は何だろなぁ…」なんて考えながら玄関のドアを開けようとした、その瞬間。
「玄兎!」
「…あ?」
突然肩を掴まれ、半ば強引に振り向かされてしまった。
と同時に視界に入る、見事な金髪。
学ラン姿だが俺より少し背が低いところを見ると中学生かもしれない。
(いや、誰だコイツ?)
人違いだと言いたいところだが、しっかり名前を呼ばれてしまっている。
いや、本当に誰だ?何となく見覚えはあるような気もするが。
「やっと見付けた」とどこか嬉しそうな金髪を前に少々混乱していると、玄関先の騒ぎに気付いたらしい母親が家の中から顔を出した。
「あら、あんたの友達にしては可愛い感じの子ね?立ち話もなんだし、上がってもらったら?」
「は?いや、」
「お邪魔しまーす。」
「ちょ、」
止める間もなく、ずかずかと家に入っていく金髪。
慌てて後に続けば、何も知らない母親は「後で部屋に飲み物を持って行ってあげるから」と呑気なものだ。
「おい、お前一体、」
「玄兎、あれから銭湯来ねーし。オレまじでどうしてやろうかって思ったわー。」
銭湯という言葉に何かが引っ掛かった。
いくら時間帯をずらしたところでガキの騒ぎは止まず、刺青の兄ちゃんの姿もちょくちょく見掛けた、あの銭湯。
(コイツも、あそこの客か…?)
だから見覚えがあるのか?と考えていると、キョロキョロと家の中を見回していた金髪が突然「あ、」と俺の方を振り返った。
「オレにこんだけ探させたんだから、何か詫びしてくんね?ってことで、今から銭湯行こーよ。」
「はぁ?何で」
「あら、お風呂ならうちので良かったら入ったら?うち、リフォームしたばかりなのよ。」
未だ金髪を俺のダチだと勘違いしている母親はどこか鼻高々だ。
とにかく誰でもいいからリフォーム自慢がしたいらしい。
「じゃあそれで」と金髪も同意してしまった。
「風呂、はいいけど…着替えとかどうすんだよ?」
「あんたの、貸してあげればいいじゃない。」
「…………」
結局金髪も母親も俺の手には負えず、渋々自分の部屋から服やら何やらを取ってくる羽目に。
そしてそれらを金髪に渡してさっさと立ち去ろうとすれば、「玄兎も一緒に入るに決まってんじゃん」と着替えもろとも腕を取られ、脱衣所に引きずり込まれてしまった。
コイツ、体格の割に意外と力が強いな。
(……いや、何だ?この状況。)
今にも混乱が極限に達しようとしている俺をよそに、金髪が鼻歌混じりに服を脱ぎ始める。
ふとつられるようにそっちを見れば、その学ランの下の、バックプリントのTシャツに俺は気が付いたのだった。
その直感は本物です
(…お前もそのブランド好きなのか?)
(ん?あー、コレ?うん、結構気に入ってる。)
(へぇ…)
(コレなら一日中どこでも匂い嗅げるし?)
(…匂い?…新商品か何かか?)
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こっそり悪男祭より。
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嘘つき、ロンリー。