場地と元同級生01
※原作軸過去。
放課後の帰り道。
ふと視界の端に入ったその姿に、俺は無意識に足を止めていた。
「玄兎?どうしたよ?」
「あ、ごめん。」
前を歩いていた友人の一人が不思議そうに振り向くのに気付き、慌てて駆け寄って行く。
だが、俺の意識は未だ、先程見かけた他校生の二人組に向いたままだった。
(今のって―…)
昔、小学生時代のある時期、俺はいじめに遭っていた。
と言っても所詮小学生のやることで、今思えばそう大したことでもなかったような気もする。
だけどもし、あれが中学生になった今でも続いていたとしたら、もっとエスカレートしていたのかもしれない、なんて考えると少しぞっとするが。
だからやっぱりあの時、助けに入ってくれた同級生には今でもすごく感謝している。
それと同時に、後悔も。
『……ごめん。』
『あ?』
苛立たしげな舌打ち。
反射的にもう一度謝罪を口にすれば、「そうじゃなくって、っあ゙ー…」とがりがり頭を掻きむしる姿。
ますます申し訳なくなってさらにもう一度、と口を開きかけた瞬間。
ばちん、と音を立ててそれは塞がれてしまった。
『もうお前、だまってろ。』
いじめっ子らよりも恐ろしいその迫力に、俺はひたすら頷くことしか出来ず―…
「なぁ、玄兎も行くっしょ?」
「え…?あ、ごめん。何の話?」
「おいおい!人の話はちゃんと聞いとけよな!」
「うわっ?」
再び開きかけていた友人らとの距離を慌てて詰めると、今度はその内の一人からヘッドロックを受けてしまう。
それにもう一人が苦笑を漏らした。
「玄兎って昔から二言目には『ごめん、ごめん』だもんなぁ…」
「そんなんだと、またいじめちまうぞぉ?このヤロウが!」
「だから!ごめんって…あ、」
また言ってしまった、と俺もついつられて笑ってしまった、次の瞬間。
俺を拘束していた友人が、何故か突然吹っ飛んでいった。
「……、は?」
呆気に取られ、その吹っ飛ばした「相手」の方を見ると、ほんの一瞬目が合う。
「…テメェら…まだ懲りてねぇみてぇだなぁ…?」
「え、はっ?ば、場地…?何で、いや!つか今のは違っ…うぉっ!?」
「こっちは腹ぁ減ってイラついてんだよ!バカヤロウ!」
「ヒッ…!?」
そして俺は、元いじめっ子で現友人らの悲鳴を聞きながら、凶悪な笑みを浮かべて拳を振り上げる場地の姿についつい見惚れてしまうのだった。
可哀想なモブの話 前編
(いつかの「ありがとう」を今度こそ、)
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こっそり悪男祭より。
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嘘つき、ロンリー。